Mystery 15 ページ15
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翌日。
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貴方「行ってきます。」
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私は誰もいない家に、何も返ってこないはずの言葉を呟いて
家を出た。
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スマホを片手に、涼介とメールをしながら
大学へ向かっていた。
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美憂「あ、Aおっはー!」
貴方「美憂。」
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その時、前方から美憂の元気な声が聞こえてきた。
視線を前に向けると、コチラに駆け寄ってくる美憂。
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貴方「おはよ、どうしたの?」
美憂「朝早く出たから迎えにきた♪」
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そう言うと、私の横に並んで弾むように歩く。
何か嬉しそう。
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貴方「何か良い事あった?」
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そう聞くと、まるで聞いて欲しかったかのように
「気になる?聞きたい!?」と目を輝かせた。
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「勿論」と返すと、美憂は更に嬉しそうにした。
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美憂「今度の土曜日、大貴とデートなんだぁ♪」
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思わず、動いていた足がピタリと止まる。
デート?
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貴方「え、付き合ったの?」
美憂「そんなんじゃないけど、土曜日に伝えるつもり。」
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私は美憂みたいに、ずっと傍にいた訳じゃないから解らない。
ホントは優しい人なのかもって思う。
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でも、私はどうしても賛成できない。
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貴方「久々に会うんでしょ?もう少し、ココロ掴んでからにしたら?」
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だって、私が思う大貴くんは決して良い人何かじゃない。
人の彼女を奪うのが趣味の、最低な人でしかない。
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美憂「ううん、いいの。ずっと言えなかった事を伝えたいの。」
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「Aと涼介くんを見習わなきゃ」と付け足して、微笑む美憂。
そう言われると、どうしても反論出来なかった。
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だって、私もずっと好きで…
やっと伝えられて、想いが通じ合えたんだもん。
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そう考えると、美憂の気持ちも伝えた方がいい。
そう思ってしまう。
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貴方「そっか。」
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私は「頑張って」の一言もかけられずに、静かに微笑んだ。
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美憂が幸せそうな顔をして、私のココロを締め付ける。
もし、二人が付き合ったのなら―…
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美憂は幸せになれる?
美憂は傷つかない?
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ただ、それだけが心配だった。
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涼介love - 小説読ませて頂きました! とてもおもしろかったです! 私は涼介君ファンなのでなおさらおもしろかったです!! (2016年5月4日 19時) (レス) id: 7ac326bf9a (このIDを非表示/違反報告)
霧風アイ(プロフ) - 完結おめでとうこざいます!!最後まで読ませてもらいました(´∀`)お疲れ様です^^新作の方も読ませてもらいます(*´ω`*) (2013年11月22日 19時) (レス) id: 05702c81b0 (このIDを非表示/違反報告)
李嘩@最近アニメみてない(プロフ) - すごく面白いです!親友君があんなだったなんて・・・最後までみて本当にドキドキしました!(o^^o) (2013年11月16日 7時) (レス) id: 19f61543da (このIDを非表示/違反報告)
きゅんきゅん - 終わりましたね〜。お疲れ様でした。切ない気持ちになりましたが、素敵なお話しでした。幸せの感じ方は人それぞれですものね。良くわかります。身体に気をつけてゆっくりと新作作りしてくださいね。更新楽しみにして待っていますね。 (2013年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 833fe62d5d (このIDを非表示/違反報告)
りん - なんか、よくある恋愛小説とちがって、おもしろいけど怖い、そんな感じのお話ですね!まさかの親友君が・・・こんなの、初めての展開で続きがほんとに気になります!更新楽しみにしています! (2013年11月10日 0時) (レス) id: 5602be7749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*琳檎* | 作成日時:2013年10月19日 16時