.解毒【白銀琥珀/魑魅零】 ページ14
絶叫。
思わず肩が震えた。
「…また白銀さんが驚いた」
なんて下津さんが呟くものだから、こちらとしてももう合わせる顔がない。恥ずかしすぎる。どうも今日は調子が悪い。というか、予測ができないことが起きすぎなのだ。
少し凹む。
『…というか、なんか今の叫び声聞き覚えがある気がするんだけど』
「俺はないぞ?」
間髪入れずに師匠も答えるものだから、余計に自信がなくなってくる。ああ、ヤバい。今日はもう無理かもしれない。メンタルが…。
「とりあえず行ってみようか」
「では俺が寝ている者たちを見ておくとしよう」
「もうここに居座るのも飽きたしな」
上から順に下津さん、フィッツジェラルド様、師匠。なんにせよ人間の声ではあるらしいため探索に行くようだ。
草木をかき分け進んでいく。そこら中に蜘蛛が沢山いたが、師匠がほとんど潰して回った。正直、虫が苦手な私としては地獄のような場所で、今にも意識が飛びそうだがこんなところで倒れるわけにはいかないので必死に耐えた。
「ん、あれ人じゃないか」
師匠が呟いた。
「ああ、そう見えるな」
『人…だね』
確かに人がいた。恐らく声の主だろう。座り込んでいるようだ。体調不良なのだろうか…?
もう少し近くで見てみよう。
『待って颯!?』
そこで発覚するとんでもない事実。やはり声に聞き覚えがあると思ったが、知り合いであった。にしたって顔色が悪い。
「!琥珀姉さん!」
『大丈夫…ではなさそうだね。どうしたの?』
「蜘蛛に噛まれちゃって…」
どうやら蜘蛛には毒があるらしい。
「お前薬の調合とか得意だったろ。何とかできねーの?」
師匠にしては珍しい名案だ。そうだ、怒りっぽいだけで別に頭は悪くないのだった。
「確かに血液に溶けた毒の濃度を変えることは可能だが、操ったことのない毒に使うのは逆に危険だ」
『私の異能使ったら出来る?』
「なるほど。恐らくだが出来る」
『じゃあさっそく。
さてと…。これで大丈夫なはず。下津さん、お願いします』
「ああ。
」
__
_
どうやら成功したらしい。ひとまず安心だろう。
「ありがt「なんか凄い叫び声が聞こえたのだけれど…。颯、大丈夫かい?」
おせーよブラコン。
.森の中にて【音瀬舞優/夜月】→←.蜘蛛に噛まれた挙句の不運続き【太宰颯/朝宮藍良@元十六夜紅葉】
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魑魅 零(プロフ) - 更新しました (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
魑魅 零(プロフ) - 更新します (3月8日 13時) (レス) id: 9560c26e60 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新しました! (12月23日 9時) (レス) id: 97d9ce38f9 (このIDを非表示/違反報告)
白井直(プロフ) - 更新します! (12月23日 8時) (レス) id: a16c2d859c (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@スランプ中(プロフ) - 更新しました・・・! (12月22日 15時) (レス) id: 25ee4b6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い犬の鬼殺奇譚参加者一同 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/BNGUKMT/
作成日時:2023年10月24日 17時