【閲覧注意←】パンドラダイアリー。【妄想オリジナル】

独りぼっちになった。 ページ3

私には彼氏がいた。
別に特別格好いいわけでも、頭がいいわけでもない。
ただ、スポーツは少し秀でてうまかったと思う。
紳士的で優しくて、喧嘩っぽい言い争いになると真っ先に向こうが謝って、意地になってるこっちが恥ずかしいくらい。
優しくて、不器用で、正直で、

私をいっぱい愛してくれた。

でもね、
もういらない。

私の学年に一人、ビッチがいる。
言葉通り遊びまくっている人だ。
転校して最初の一週間に彼氏を作り、2週間未満で別れた。
しかも付き合っている間は「超優しい」だとか「幸せ」だとか言ってたくせに、別れた途端「いやいや付き合ってた」だとか「別れられて清々する」と手のひら返し。
そしてその調子で1年がたち、その間に6人もの人を好きになり、2人ほどと付き合ったり別れたりした。
しかも彼氏がいる間も、ほかの男子を色目で見るという悲劇。

そのビッチと私の彼氏が、めでたく結ばれました。
最初は何がどうなったのかわからなかった。
他に好きな人ができたんだ、と俯き言う彼氏の腕に、自分の腕を絡ませながらチャーミングな瞳で申し訳なさそうにこちらを見る。
殴ってもいいんだよな、と本当に冷静に思った。

それと同時に、あぁ私ってそれほどの存在でしかなかったのかな、と心が冷めていくのも感じた。
不思議と悲しみは覚えなかった。まるで前から知っていたような感覚。
ただ、寂しいな、とは思った。

愛してくれる人がいなくなっちゃった。

彼氏から貰った指輪やノート、人形などはその日のうちに、一つの箱にまとめて封をした。
まだ捨てるほど覚悟なんて出来てないから、そのまま放置するけど。

私、彼氏の目の前であのビッチの悪口言ってたんだけど、大丈夫かなぁ、とは思った。
でも大丈夫ではなかったらしい。
あの女の考えは筋金入りだった。キ×ガイと言っても疑わないほどの物語を演じて見せてくれた。

次の日に学校に行くと、私はビッチから彼氏を奪った悪者になっていた。
もともと二人は両想いだったのに、それを私が横から入っていって奪ってったらしい。
彼氏は優しくて、私を傷つけたくなくて、半ば脅されるように付き合うことを承諾したんだって。

その日から、私を見る目は冷たくなった。
彼氏も、私と目を合わせようともしない。私も合わせるつもりはないけど。

一人でも大丈夫だった。
一人にしてくれるなら、とことん孤独を楽しもうとさえ思った。

でも寂しいのは嫌だった。


両親は姉に夢中だった。



独りぼっちになった。

「ふざけないでよ…っ、死ぬつもり！？」→←愛されたかったんだと思う。

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