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貴方side
「いい事言ってましたけど…それが目的ですよね?」
鞄から出しかけていた携帯を一先ずもう一度中へ押し戻す。
帝「ま、まぁ…それも…あるけどよ!でも俺たちのとこに遊びに来いってのも本心だぜ?!」
何をドヤ顔で言ってるんだか。
はぁ…とため息をつく。
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「でもまぁ、連絡先くらいはいいですよ。なんだか心配してくれてたみたいですし…。お金は貸さないですけど。」
帝「心配って程でもねーけどよ。」
そう言いながらそっぽを向く有栖川さん。
えっ、この人ってツンデレ属性なの?
「確かにちょっと寂しかったのは事実なので。こんな日に有栖川さんみたいな変な人に出会えたのも、運命かもしれません」
帝「はぁ?変な人…?」
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「はい。正直女子高生にお昼ご飯たかる20歳なんて怪しさ満点ですけど。…でも有栖川さん根はいい人そうだし、その…たまに寂しくなったりしたらお話しに会いに行ってもいいですか?」
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賭けてみる、と思った以上もう後に引きたくはない。
人との出会いに後に引くも引かないもあるのかとは思うけど、この人といるとなんだか面白いことになりそうな予感がする。
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数人しかいない大切な友達との日々だって楽しいけど
たまにはこういうスリルや刺激も悪くないかな、なんて。
帝「もちろん良いぜ!ま、賭場にいることが殆どだし、すぐに会える確率は低いけどな。」
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…期待通りだ。
この人のこういう良い意味でも悪い意味でも『少し残念』な感じが一緒にいて楽しい。
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会いたい時にすぐに会える。
それはとっても素敵な事だけど疲れちゃうし。
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賭場から帰ってくる彼を待つ放課後も楽しいかもしれない。
それに私だって受験生。
仮に頻繁に会いたくなっても会えないことも増えるだろう。
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お互い気まぐれでしか会わないし、話もしない。
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この位の距離感の『お友達』が心地良いかもしれない。
…前までは初対面の相手にこんなこと、絶対思わなかった。
今いる友達に心を開くまでだって、知り合ってから結構な時間がかかった。
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でもこれは春の魔法。
初対面、会って1時間もしない彼にこんなにも心を開いてしまったのは
春の浮ついた空気のせい。
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…と、言う事にしておく。
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めゃ(プロフ) - 忍狼さん» 忍狼さん、はじめまして!コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しい限りです( ; ; )なるべくたくさん更新できるように頑張ります! (2022年7月16日 3時) (レス) @page19 id: 7e801ff841 (このIDを非表示/違反報告)
忍狼 - 初めまして!見ていると面白いので頑張っててね! (2022年7月13日 14時) (レス) id: aba775bb80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めゃ | 作成日時:2020年4月14日 4時