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貴方side
幻「え…？」
好きな子…？と目を見開いて聞き返す幻太郎くん。
…そんな驚かなくても。
まさか本当に居るのかな。えっ私悪女じゃん( )
「うん、好きな子。」
幻「ふむ、小生にはその "好き" の定義がわかりません」
「普通に。付き合いたいなー、とかそういう」
幻「付き合いたい、ですか。そうですねえ」
そう言って顎に手を当てなにか考え始める幻太郎くん。
えっ、なになに怖い( )
幻「付き合いたい、というよりも一緒に居たい、という方なら1人。」
「えっ、まじ？じゃあ土曜日私と居たらだめじゃん」
正直期待していなかった返答に戸惑いつつも私は平静を装って答える。
幻「そういう貴方はどうなんです」
「どうって？」
幻「好きな殿方」
「殿方って……そんなのいないよ」
幻「ですよねぇ、貴方に限ってそんなこと有り得ないですよね。」
「えぇシンプルに腹立つ」
幻「ふふっ、まあまあ。でも貴方にそんな人が居なくてよかったです」
「？」
幻「小生の貴重な土曜日をその殿方、に取られちゃたまったもんじゃありませんからね」
さっきから幻太郎くんは何かと遠回りな言い方で
何が言いたいのかはっきりわからない。
「貴重な土曜日…？」
幻「はい。こうして貴方と過ごす土曜日、小生は案外悪くないと思ってるんですよ。」
「！」
幻「仕事の疲れの癒しになるといいますか。特に何もしなかったり、仕事をしていても貴方が部屋で何かやってたりすると少し、気分がほぐれます」
「幻太郎くんも、そう思っててくれたんだ」
私はここ最近てっきり幻太郎くんには迷惑なんじゃないかとかそればかり考えていた。
嘘か本当かわからないトーンで「帰れ」とか言われるし。
.
.
でも幻太郎くんも土曜日、好きでいてくれたんだ。
.
.
「そっかぁ、それじゃあその一緒に居たい子？とは、普段いつ会ってるの？」
.
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作者名：めゃ | 作成日時：2020年1月27日 18時
