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貴方side




.





「えっ、げんたろうくん…もしもし…?」



着信画面に映っていたのは『夢野幻太郎』の文字で。


頭が回ってなくてネガティブで、傍から見れば最高にめんどくさい状態なのに電話に出てしまった。



幻「貴方こんな時間まで仕事してたんですか」


「えっ…うん、ざんぎょう、いまおわった、」


なんかもうじぶんが平仮名しか喋れてない気がする…


幻「会社、どこでしたっけ」


「え?えっと、とうきょうと〇〇区…」


幻「それは分かってます、会社名は?」


「〇〇かぶしきがいしゃ…」


幻「わかりました、まだ会社ですよね」


「うん、」


幻「すぐ行きますから、待っててください」


「ぇ…うん…」






.









.









それから何分経ったかはわからない。
でも気づいたら幻太郎くんが会社の前までタクシーで来てて、下まだ降りてこいっていわれて降りたらタクシーに乗っけられて


そしたらタクシーの中で寝てたみたいで


気づいたら、幻太郎くんの家。





.







「あれ、今日もうどようび…?」


幻「まぁ…土曜日ですけど」


「えっ…と…なんで…?」


幻「貴方があまりに遅くまで残業してるので迎えに行きました。」


「なんで、迷惑じゃん、そんなの」


幻「……別に。小生がしたいのですから迷惑なんかじゃないです」


「でも深夜だし…それにタクシー代…」


幻「気にしないで下さい。…もう1回寝ますか?お風呂とか…どうします?」


「化粧は落としたい…けどお化粧落としなんかない……いやある、カバンの中にあるはず…」





常備している化粧落としのパックを探す




寝ぼけているのと疲れているので上手く頭が回らない。さっきまで何か悲しいことを考えていたような気がする…




ん?悲しいこと…?




.







そうかぁ、わたし、


幻太郎くんの家に行けなくなるのは


幻太郎くんに連絡できなくなるのは









.









"悲しい"




.







と思うんだ。

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設定タグ:夢野幻太郎 , ヒプマイ , ラブコメ   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:めゃ | 作成日時:2020年1月27日 18時

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