16 ページ17
貴方side
.
「えっ、げんたろうくん…もしもし…?」
着信画面に映っていたのは『夢野幻太郎』の文字で。
頭が回ってなくてネガティブで、傍から見れば最高にめんどくさい状態なのに電話に出てしまった。
幻「貴方こんな時間まで仕事してたんですか」
「えっ…うん、ざんぎょう、いまおわった、」
なんかもうじぶんが平仮名しか喋れてない気がする…
幻「会社、どこでしたっけ」
「え?えっと、とうきょうと〇〇区…」
幻「それは分かってます、会社名は?」
「〇〇かぶしきがいしゃ…」
幻「わかりました、まだ会社ですよね」
「うん、」
幻「すぐ行きますから、待っててください」
「ぇ…うん…」
.
.
それから何分経ったかはわからない。
でも気づいたら幻太郎くんが会社の前までタクシーで来てて、下まだ降りてこいっていわれて降りたらタクシーに乗っけられて
そしたらタクシーの中で寝てたみたいで
気づいたら、幻太郎くんの家。
.
「あれ、今日もうどようび…?」
幻「まぁ…土曜日ですけど」
「えっ…と…なんで…?」
幻「貴方があまりに遅くまで残業してるので迎えに行きました。」
「なんで、迷惑じゃん、そんなの」
幻「……別に。小生がしたいのですから迷惑なんかじゃないです」
「でも深夜だし…それにタクシー代…」
幻「気にしないで下さい。…もう1回寝ますか?お風呂とか…どうします?」
「化粧は落としたい…けどお化粧落としなんかない……いやある、カバンの中にあるはず…」
常備している化粧落としのパックを探す
寝ぼけているのと疲れているので上手く頭が回らない。さっきまで何か悲しいことを考えていたような気がする…
ん?悲しいこと…?
.
そうかぁ、わたし、
幻太郎くんの家に行けなくなるのは
幻太郎くんに連絡できなくなるのは
.
"悲しい"
.
と思うんだ。
16人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めゃ | 作成日時:2020年1月27日 18時