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貴方side
「先週はカフェに行きました。パンケーキ奢って欲しかったんですけど…無理でした！」
駅までの間、観音坂先輩と歩く夜道。
暗くて観音坂先輩の顔はよく見えない。
今話してるのは幻太郎くんとのこと。
観音坂先輩は私が毎週末、幻太郎くんの家に言ってることを知ってる。もちろん理由やいきさつも。
観「それは残念…。奢ってくれたらよかったのにね」
「本当ですよー。毎日社畜頑張ってるんですから休日くらいって思ったんですけど、彼も毎日忙しそうですから、お互い様ですよね」
観「まぁ…皆それぞれ大変、だよね」
「ですねぇ…大変でも私、幻太郎くんの家でだらだらしてると一人でいるより疲労回復するんですよ。凄くないですか？」
観「えっ…すごい…ね」
「凄いですよねー。幻太郎くんの家落ち着くというか、匂いが安心するというか。とりあえず居心地が良くてリラックスできるんですよー」
他愛のない話。だけど本心。
観「……っと…でも…幻太郎さん、とは付き合ったりはしてないんだよね？そういう気もない？」
「？…はい、あくまでお友達ですし、そういう気もないです」
観「俺にはなんとなく…それだけじゃないような気もするな、気づいてないだけというか…」
「？？それだけじゃない…？」
観「いや、なんでもないよ、気にしないで」
「えぇ、気になるじゃないですかあ」
と、喋っていたらあっと言う間に駅。終電1本前。
「あっ、では私〇〇線なのでここで失礼します。有難うございました！」
観「ん、全然。おつかれさま」
「はい！ではまた明日！」
観「また明日…」
.
電車に乗ってから考える。
〈 観「俺にはなんとなく…それだけじゃないような気もするな、気づいてないだけというか…」 〉
どういう事だろう？
本当に幻太郎くんは友達だし、恋愛感情も抱いたことはない。
毎週土曜日は楽しみだし、リラックスできて大好きだけど、それは恋人といるというより家族みたいな？
そういう感覚だから付き合うとかそんな話じゃないんだよなあ…。
でも他人から見たらそう見えるのかな。
休日に2人で家で過ごすなんて、確かに傍から見たら恋人同士のソレ、だもんね。
でももし幻太郎くんに好きな人ができたり、恋人ができたりしたらそんな事もできなくなるよな。
.
.
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そう思った時に心がキュッと苦しくなったのは気付かないふりをしておこう。
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作者名：めゃ | 作成日時：2020年1月27日 18時
