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貴方side
お昼も終わり夕方も過ぎ、すっかり夜。既に22時。
ハゲ課長の機嫌は、というとはっきり言って最悪。
どうやら休みの間に奥さんと喧嘩したらしくて。
いや知るかよそんなこと!…って言葉は飲み込んだ。
隣にはまだ観音坂先輩もいる。
「先輩、大丈夫ですか?」
半分寝そうになってる観音坂先輩。
観「ぇ……あぁ、うん、平気。ちょっとコーヒー淹れてこようかな…」
「それなら私やりますよ。私も飲みたいと思ってた所なので!」
観「ぁ…たすかる…ありがとう…」
「いえ!すぐに作ってくるので少しまっててください!」
パッと立ち上がって給湯室に。
何故かこうして残業をする時は観音坂先輩と2人の時が多い。
まあ、少ない方がやりやすくていいんだけど。
.
トポトポ…とポットからお湯を入れる音を聞いて一息。
残ってる仕事はあと少しだし…頑張らなくちゃ。
.
「コーヒーできましたー」
観「ありがと…いつもごめんね…」
「ごめん…?何がですか?」
観「こうしてコーヒー淹れてくれたり、コンビニついてきてもらったり…いろいろと」
「…?そんなの感謝されることじゃないです。実は私、観音坂先輩が頑張ってる姿を見て私も頑張ろう!って思ってるんです。いつも私にやる気をくれるのは先輩です。有難うございます!」
観「……!」
観「名字さんは優しいね…。それなのに俺、こんなんでごめんね。とりあえず今日の分、終わらしちゃおっか」
「こんなん、とか言わないで下さい!よーし、私も先輩も爆速で終わらせますよー!」
観「ふっ……うん、そうだね、がんばろ」
先輩が笑ってくれて良かった。
.
.
.
といい感じに仕事を再開したのは2時間前。
今はもう日付が変わっている。なんで…?(涙目)
観「うぇ……やっとおわった…」
「お"つ"か"れ"さ"ま"て"す"…」
2人して仕事が終わったのは0時過ぎ。
あれ、おっかしーなー。
私給湯室にいた時は仕事もあと少し!とか思ってたのに全然少しじゃなかった。
観「名字さん…おつかれ…帰ろうか…。駅まで送ってくよ……」
「えっ、悪いですって!…ってか終電……はまだあるか……。」
ふぅっ、と胸を撫で下ろす。
観「でも…夜も遅いし、ね。送ってく」
「ふふ、ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」
幻太郎くんやら観音坂先輩やら
私の周りは優しい人ばかりだ。
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作者名:めゃ | 作成日時:2020年1月27日 18時