金平糖から始まる恋があってもいいと思うんです！【氷鷹北斗】

金平糖が9個 ページ10

スバル side


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そんなこんなであっという間に週末。




『んー…静かだねぇ…』


「だね〜」




予定のない日はほとんどAと過ごしている。

今日は近くの公園。
大きな木の下のベンチに2人並んで座っている。

ここの公園は休日でも人が少なく静かだ。







ここ数日ホッケ〜は相変わらず上の空だった。
いや、あの日から更に上の空になった気がする。

恐らく、Aのことを考えていたのだろう。







『ねぇ、スバル。』


「何〜？」


『あれから私、考えたんだよね。』


「何を〜？」









『氷鷹さんのこと』


「…ッ」



予感はしていたがこんなに早くホッケ〜の話題になるとは思わなかった。



『スバル、私に氷鷹さんに一目惚れしたの？って聞いてきたじゃん？

あの時は“恋”っていうのが全然分かんなくてさ。




けど、あれから考えて分かったんだ。』




『私、恋してるんだ、って…』




一番聞きたくない言葉。


そんな俺の心情も知らずにAは続ける。



『ずっとさ、氷鷹さんのこと考えちゃうんだよね。
氷鷹さんの微笑みが脳裏に焼き付いてて。


また会えるかなーとか思っちゃたり…』




「け、けどさ…


そもそも、また会える確率なんて低いよ。」


想いが実るなんて尚更、と付け加えれば、Aは悲しそうに微笑む。


ごめん、意地悪なこと言って。ごめん。



『それは分かってる。


だからね、この気持ちが消えるまで、
“恋”っていう感情を楽しんでみよーかなって。』



なんかおかしなこと言ってるよね、と笑うA。









ねぇ、A。









俺じゃ、ダメなの…？









.









「ねぇ、A。









その気持ち、俺が“上書き”してあげる。」





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