黒魔術少女とアイドル魔法使い【逆先夏目】

10.チケット ページ10

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「そんな見習いちゃんニ良いものをあげよウ…♪」


未だししょーがアイドル科だと信じられず頭を捻らす私に、ししょーは何かを差し出す。



『何、これ？』


とりあえず受け取る。

その何かは、細長い長方形の紙。




「ライブのチケットだヨ」


『ライブ…？』



「アイドル科だからネ。
ライブくらいはするんだヨ」


それも結構な頻度でネ、と付け加えるししょー。



「良かったらおいデ。

ボクがアイドル科の生徒だっていう証明にもなるシ。」



じっ、と渡されたライブチケットを見つめる。
確かに、下の方に小さく“夢ノ咲学院アイドル科”と記されている。



ししょーのアイドル姿…



無駄に良い顔と声でファンを魅了するのか…。
ファンサとかすんのかな…？アイドルに興味ないから分からん。




けど、ししょーのそんな姿も見てみたいかも…なんて。









『…これさ、なんで2枚あんの？』

私の手の中にはチケットが2枚。



「あァ…友達と一緒に来れるように、と思ってネ」



友達……

思い浮かんだのは1人のクラスメイト。



『気が向いたら、行く、かも』



とりあえず1回あの子に聞いてみよう。
行くか行かないかはそれからだ。


けど、行ってみたいっていう気持ちは少なからずあるから、断られても頑張って説得してみようかな、




「是非おいデ。

ボクの意外な一面が見られるかもしれないヨ…？」


ししょーは、そんな私の心を見透かすように、妖しく微笑む。




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