落ちこぼれ令嬢とアイドル御曹司【朱桜司】

43.御話 ページ43

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「旦那様も奥様も客間におります。どうぞ此方へ。」


そう使用人に促され、客間へ足を踏み入れます。



「朱桜様…！ようこそおいでくださいました！」


両親が立ち上がり、礼儀正しく挨拶をします。
二人とも尊敬する方に会えたからなのか、子供のように眼が輝いています。


「この度は、いきなりにも関わらず時間を作って頂きありがとうございます。」


そう言いながら、綺麗な御辞儀で返す朱桜様。


座るように促され、ソファーに腰を下ろします。




「いきなりですが、本題に入ってもよろしいでしょうか？」


腰を下ろした途端に口を開く朱桜様。
急ぎの用だということが伝わってきます。


「えぇ、構いませんわ」


母の言葉を聞き、朱桜様は一つ深呼吸をし……









.









「成瀬さん__成瀬A様の婚約を破棄して頂きたいのです。」





え…！？



両親も驚きが隠せず、眼を見開いています。



「理由を聞いてもいいかね…？」


震えた声で問い掛ける父。



「あぁ、まだ続きがあります。









婚約を破棄した後、









.









私__朱桜司と婚約を交わして頂きたいのです。」



！！？？


最早声にもならない驚き。


「そ、それって……Aと朱桜司様の婚約、ということですわよね…？」


はい、勿論です、と頷く朱桜様。




え？
朱桜様が私なんかと婚約を交わして欲しい、と？？


助けて下さい…！

もう私の頭は爆発寸前です！



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