56 ページ19
「え、思い出すこと・・・ですか？」
夏「うん。より具体的になればなるほど、幻の精度が上がるんじゃないかと思う。試しにAがよく使ってるものとか呪力練りながら思い出してみたら？」
「やってみます・・！」
私は師匠がくれた刀を思い出していた。
「(鞘はこんな感じ、刀身が綺麗で、柄は＿)」
私が握りしめていた右手に、何かの感触があった。
夏「うん、やっぱりそうだね。右手、見てごらん」
私の右手には師匠がくれた刀があった。
やっぱりすぐに消えたけど
夏「にしても＿幻の精度を超えてるね。修行次第ではかなり強い術式になるんじゃないかな」
「本当ですか・・！」
夏「うん。でも本当によく頑張ってるね、しんどくないかい？」
「大丈夫です！夏油さんも身体には気をつけて、頑張ってください！」
夏「(いつもいつも、見かければかなり厳しい修行をしているのに・・この子は・・)本当かい？君は本当に優しい子だから不安になるんだ。」
「優しいですか？夏油さんの方がよっぽど優しいと思いますよ？」
夏「はは、硝子が聞いたら顔を歪めそうだね。そういえばA、半年経つけど、私のことは下の名前で呼んでくれないのかい？」
「え、名前・・ですか？」
夏「嫌ならいいんだけど・・私は３ヶ月前から下の名前で呼んでいたのになぁ」
「いえ！なら、傑さん、で」
夏「うん。それでいいよ」
夏油さん、いや、傑さんは中庭にある自販機の方へ行った。
私は少し疲れたので座っていた。
傑さんは両手に飲み物を持ってこっちに帰ってきた。
夏「はい、飲み物。寒いしね。あったかいものにしたけどよかった？」
「大丈夫です！ありがとうございます・・！」
夏「どういたしまして。悟が任務から帰ってきたら驚かせようか」
「が、頑張ります」
夏「うん、さて、校舎内に入ろう。ここにいるとAが風邪をひいてしまう。」
そう言って私たちは校舎の中に入った。
「(術式・・師匠、驚いてくれるかなぁ。・・・イライラ、してないといいけど・・・)」
その日から私は身近なものを幻にできるよう特訓した。
初めてツカモトを出してはや2日。師匠との、修行の日がやってきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あや | 作成日時：2023年7月18日 19時
