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「…え、ほんとに食べたの??」
嘘でしょ、とつぶやく彼女の元に俺は近づいた。
ごめんな、ほんと。
「A…」
「ゆんぎさっ……ん?!」
俺は彼女の、そのか細い体を引き寄せて抱きしめた。
「ゆ、ゆんぎさん??」
びっくりしている彼女を無視して、さらに強く抱きしめる。
…彼女のことを抱きしめたのはいつぶりだろう。
今までの分取り戻すことはできないかもしれないけど、それでもこうさせてほしい。
彼女に触れて、俺の心も、すーっと満たされていくのがわかった。
「…」
彼女はしばらくすると俺の背中に手を回してくれた。
それが本当に嬉しかった。少しだけ安心した。
………そして余計に離したくなくなる。
「……ちょ、ユンギさん…?」
まだこのままなの?
っていうのが伝わってきたけど、もちろん離す気はない。
「……えっと、あの、お弁当の中身大丈夫だった?」
俺が離す気がないってわかって、
少し照れた声だった。
あぁ、ほんとかわいいよお前は。
「……うまかったよ。」
「うそだ。あんなん冷えてて絶対おいしくない」
「…わかんね。けど、うまかったんだよ。」
冷えてたし、もしかしたら悪くなってかもしれないし、味なんか正直覚えてない。
けど、
彼女への申し訳なさと、愛おしさと
色々混じって
どうしようもなく涙が溢れるくらい、
めちゃくちゃうまかったんだよ。
「………ごめんな。」
.
今までの人生で言ってきた謝罪の言葉で、1番重いんじゃないかってくらい
こんなに申し訳ないって思ったことはなかった。
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Muu(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しい言葉をありがとうございます!少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。 (2022年9月6日 17時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最高でした。 (2022年8月11日 19時) (レス) @page46 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
Muu(プロフ) - ユンギペンさん» ありがとうございます!完結へと一気に書き進められたのは、まさしくこのメッセージのおかげです! (2022年6月25日 2時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ユンギペン - 続き楽しみに待っています!更新頑張ってください😊いつもお疲れ様です☺️ (2022年6月23日 22時) (レス) id: b9da242e25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Muu | 作成日時:2021年9月15日 17時