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俺が仕事を休んだことに戸惑いを隠せず焦っているA。
それはそうだな。
でも、昨日のお前の姿見たら、
仕事なんかいけなかったんだよ。
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昨日の夜。
疲れ切った彼女を抱えてうちにたどり着いた。
「靴脱がすよ」
「うん」
そのまま彼女を寝室に連れて行く。
どうしよう、服だけは着替えた方が良さそうだな。
そう思って、俺は彼女が着ているいつもの寝巻きを探した。
あれ、ここにないな。
仕方ない。別のやつ着せるか。
ベッドに脱ぎ捨てたはずの俺のスウェットはきれいに畳まれている。
…いつもこうやって畳んでくれてるんだな。
俺はそのスウェットを彼女に着せた。
…なんだか心なしか痩せた気がする。
今更気づくことが多い自分に、ため息をついた。
自分自身も着替えて、
なにか飯でも食うか、とリビングへ向かう。
そしたら
「……弁当?」
綺麗に包まれた弁当がポツンと置いてあって。
なんでここに弁当?
不思議に思いながら中を見てみると、
俺の好きな料理が色とりどり入っていて、どう考えてもあいつが俺のために作ったとしか思えなかった。
「……まじか。」
今日の朝のことを思い出してみる。
いつも通りバタバタしていた俺。
今日の仕事の内容を一生懸命頭の中で繰り返していて、彼女が起きていたことすら覚えていない。
だけど、家出る前になんかあいつ言ってなかったか…?
えっと、確か
『カウンターにお弁当あるから持っていってね』
って言ってた……
全て思い出した瞬間俺は頭を抱えた。
俺より早起きして、俺の好きな料理つくって。
俺が昼飯はコンビニで済ませてるって言ってたからだよな?
ちゃんと聞いてくれてたんだな。
あーもう、なんなんだよ俺。
ほんと誰か俺のこと殴ってくんねぇかな。
それがAでもいい。お前にはそうする権利があるよ。
どうしようないな、俺は。
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Muu(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しい言葉をありがとうございます!少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。 (2022年9月6日 17時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 最高でした。 (2022年8月11日 19時) (レス) @page46 id: be7c7766b1 (このIDを非表示/違反報告)
Muu(プロフ) - ユンギペンさん» ありがとうございます!完結へと一気に書き進められたのは、まさしくこのメッセージのおかげです! (2022年6月25日 2時) (レス) id: 350ffc1ce7 (このIDを非表示/違反報告)
ユンギペン - 続き楽しみに待っています!更新頑張ってください😊いつもお疲れ様です☺️ (2022年6月23日 22時) (レス) id: b9da242e25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Muu | 作成日時:2021年9月15日 17時