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最後のお客さんが出て行く。
もうすっかり辺りは真っ暗。
……もう今日は閉めるか。
店のプレートを外すと、上着を置いて来たからか身体が冷えて来た。
寒い。早く帰ろ。
「あ、あの！」
店の中に入ろうとしたら背後から声を掛けられた。
振り返ると、スーツを着たサラリーマン。
と、かなり酔っている二人の成人男性。
なんとか歩けている状態というか……
酩酊というか……泥酔というか……
大丈夫ですか。
「すみません、み、水をくれますか」
「あ、はい」
色々察した。
古本屋に水を求めるぐらいだ。
そりゃもう大変だったんだな。
「どうぞ」
「あり、がとうございます」
水を渡して、それを眺める。
それにしても隈が凄い。
恐らく彼は苦労人なんだろう。
「タクシー呼びますよ？」
「すいません。お願いします」
寒いので一旦店内に全員入ってもらった。
「すみません、遅くに押し掛けて」
「私は大丈夫ですけど……大丈夫ですか？」
「大丈夫じゃないです……本当にすみません」
……何故か名刺を貰った。
さっきは暗くて見えなかったけど、この人も酔ってるな。
「薬です、飲んで下さい」
半ば強引に薬をサラリーマンに押し付けてタクシーを呼ぶ。
そして彼らを横目に見る。
本当に大丈夫かなこの人達……
大学生とかならまだしも、れっきとした成人男性達。
大体三十代くらいの。
……いや本当に何があったんだ。
あ、タクシー来た。
「大丈夫ですか？自分の住所言えますか？」
「はい、大丈夫です。ご、ご迷惑をお掛けしました」
「あ、いえ」
タクシーが走って行く。
あの人達が無事に家に着けれますように。
タクシーが見えなくなるまで外に出ていた。
さ、寒い。やっと帰れる。
「……あ」
カウンターの上に掛けてあるジャケット。
私のじゃない、あの人達忘れて行ったな。
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アリス - 続き待ってます！ (2021年10月3日 20時) (
レス) @page28 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - 続きが見たいですー!!!更新待ってます！ (2021年4月21日 17時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 麩菓子さん» 初めから読みました！！めっちゃ続きが気になります！！更新頑張ってください！ (2020年12月5日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
麩菓子(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» ありがとうございます、頑張ります！ (2019年2月16日 18時) (レス) id: 53de0170aa (このIDを非表示/違反報告)
夢花 (仮垢) - 無花果様の事「お姉様」って呼んでたからびびったぁw続き待ってま〜す！ (2019年2月8日 22時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麩菓子 | 作成日時：2018年10月21日 20時
