噂の古本屋【ヒプマイ】

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「へぇ、それで？


ガチャーンドゥルルチリンチリンチリーンしたら全財産無くなったと？」



「そうだ。いやぁ、飲み込みが早くて助かったぜ！


という事で飯を食わせてくれ！！」



「三日前ぐらいに来たばっかりですよね……」



ううん……この人アホだ。



そして断れない私も嫌だ。



「後で飴村さんに連絡しないと」



「確か今日は乱数出張だったような」



えぇ！じゃあどうすれば良いんですかこのホームレス。



「そうだ。夢野さんの連絡先を教えて下さい」



「幻太郎か……」



有栖川さんはそう言って少し考えこむ。



猛烈に嫌な予感がする。



「えぇ、俺そんなの覚えてねぇし」



「同じディビジョンの連絡先ぐらい覚えてて下さいよ！


うーん……とりあえず今日は野宿でお願いします」



「えぇ！泊まらせてくれねぇのかよー」



だって家の中の金品全部持って行かれそうだし。



男の人今まで泊めたことないし。



その時、家のインターホンが鳴った。



こんな夜に誰が？



「はい……あれ、夢野さん？」



「どうやらウチの野良猫がお世話になったみたいですね」



「お、幻太郎」



え？何で夢野さんがここに……



「乱数から、

『なんかお姉さんが困ってるっぽいから行ってあげて〜！』


……との連絡がありまして。」



あぁ、飴村さんですか。



「帝統、ほら行きますよ。では」



「はい、お気をつけてー」



「次は勝って来るからな！」



いや別に来なくていいですけど……



二人がマンションのエレベーターに乗ったのを見届けた後、


私はある違和感に気づいた。



私、飴村さんに連絡してないのに何で知ってたんだろう。



謎だった。

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