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昼過ぎになって、ようやくお客さんが増えて来た。



お客さんは大体四十代以上の方が大半を占める。



まぁ言っちゃえばおじさんおばさんばっかり。



……だから、若いお兄さんは目立つ訳で。



「おや、こんな所に古本屋などありましたか」



「昔からありますよ」



店長も昔からあるとか言ってたし、間違ってはない。



……筈。



でも古風な雰囲気と服装と口調。



このお兄さんちょっと変わってる。



「良かったら覗いて行きます?」



「では」



少し古ぼけた本棚とお兄さん。



多分この人は何をしても絵になるタイプだな。



しばらくすると、お兄さんは本を片手にカウンターに向かって来た。



「これを」



置かれた本は大正時代のとある文豪の小説だった。



「近代文学お好きなんですか」



「えぇ。よく読みます」



代金を貰い、本を袋の中に入れて渡す。



「ありがとうございました」



後ろ姿を見送っていると、お兄さんは少し足を止めた。



「また来ますよ」



お、なんと。



あのお兄さんはまた来てくれるらしい。



適当に言っただけかもしれないけど。



こんな店を贔屓にしてくれるなんて……



という気持ちもなくもないけど正直、若い人が来てくれるのは嬉しい。



だってほら。おじさんおばさんばかりだし。



自分の知らない間に生気を吸い取られていそうだ。



お客さんに失礼だけど。

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アリス - 続き待ってます! (2021年10月3日 20時) (レス) @page28 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - 続きが見たいですー!!!更新待ってます! (2021年4月21日 17時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 麩菓子さん» 初めから読みました!!めっちゃ続きが気になります!!更新頑張ってください! (2020年12月5日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
麩菓子(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» ありがとうございます、頑張ります! (2019年2月16日 18時) (レス) id: 53de0170aa (このIDを非表示/違反報告)
夢花 (仮垢) - 無花果様の事「お姉様」って呼んでたからびびったぁw続き待ってま〜す! (2019年2月8日 22時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麩菓子 | 作成日時:2018年10月21日 20時

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