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今日は店長にお使いを頼まれてイケブクロの方に来ていた。



頼まれていた物を買い、建物から出る。



昼なのに薄暗く雨が降りそうな雰囲気だった。



あ、雨の匂いがする……



傘持ってないし早く店に戻らないと。



少し早歩きで歩いていると、服に水滴が付いていた。



思わず見上げるとおでこに雨粒がついた。



早歩きから小走りへと変えて急ぐ。



はぁ……



今日はニュースキャスターが晴れって言ってたのに。



外れるなら自信満々に言わないでほしい。



そんな支離滅裂な事を考えている間にも、


雨は段々と強くなってきている。



屋根のある所で少し雨宿りをさせて貰おうかと思ったけど


なかなか見つからない。



見つけた時にはもう服がびしょ濡れになっていた。



もう最近本当にツイてない。運が悪い。



寒いし雨は止まないし服濡れたし……



ネガティブ思考に陥っていると、誰かが走って来た。



あぁ、雨宿りしに来たんだな。



「あ」



「あれっ」



偶然にも、雨宿りをしに来たのはあの時の兄弟の


多分真ん中の子だった。



「……」



「……」



……気まずい。



何も話す事がないので沈黙が続く。



「あの」



「は、はい!」



驚いて声が上擦ってしまった。うわぁ。



「こ、これ着て下さい」



何故かジャケットを渡された。



彼は少し俯いていて、頰が赤かった。



……謎だな。



「えっと……これは?」



「す、透けて……」



なんとなく察して、胸元を見ると透けていた。



その……うん。



「わ、うわぁごめんなさいっていうか、す、すみません!」



見事なまでの慌てっぷりを披露してジャケットを羽織った。



「いっいや、ほんとにごめんなさい!」



「い、いや大丈夫っす」



ほ、本気で恥ずかしい。手で顔を覆いたいぐらい。



「……」



「……」



更に気まずくなった。



雨は一向に止む気配がない。



……どうしよう。



「Aちゃん、大丈夫?濡れてない?」



「あっ、店長!」



店長が車に乗って探してくれていた。



うわぁー店長ありがとうございますー!



気まず過ぎて死にそうでしたー!



「お、二郎!傘持って来たぞ」



「兄ちゃん!」



丁度のタイミングで、あの兄弟の多分長男の人が


傘を持って来た。



「ずぶ濡れじゃない。そのジャケットは?……あら」



「二郎、ジャケットはどうした?……あ、いや、なんでもない」



この後、二人の誤解を解くのが大変だった。

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アリス - 続き待ってます! (2021年10月3日 20時) (レス) @page28 id: 8c35d92784 (このIDを非表示/違反報告)
キーさん(プロフ) - 続きが見たいですー!!!更新待ってます! (2021年4月21日 17時) (レス) id: 1d2c287881 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 麩菓子さん» 初めから読みました!!めっちゃ続きが気になります!!更新頑張ってください! (2020年12月5日 17時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
麩菓子(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» ありがとうございます、頑張ります! (2019年2月16日 18時) (レス) id: 53de0170aa (このIDを非表示/違反報告)
夢花 (仮垢) - 無花果様の事「お姉様」って呼んでたからびびったぁw続き待ってま〜す! (2019年2月8日 22時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麩菓子 | 作成日時:2018年10月21日 20時

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