噂の古本屋【ヒプマイ】

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「ええと、それで。


その……飴村さんみたいな有名人が何故ここに？」



「幻太郎の後を着いて行ったら来ちゃった、あは！」



飴村さんはその満面の笑みを絶やさずに言った。



うーん、ゲンタロウ？



「ここに時々来る変わった人だよ、オネーサン知らない？」



「あ、分かりました」



あのいつものお兄さんか。



えっ、でも幻太郎って……



もしや夢野幻太郎？



「あのお兄さん、シブヤディビジョンの人だったんですか」



「幻太郎の事は知らなかったんだ」



「すみません、そういうのはあまり詳しくなくて……」



「へぇー」



飴村さんはテレビで偶然見た。



……これを世間知らずっていうのかもしれない。



今度、各ディビジョンの人調べてみようかな。



「何故ここに貴方が居るんですか、乱数」



「あ、幻太郎」



あ、お兄さ……夢野さん。



「ほら帰りますよ」



「えー！僕まだオネーサンとお話ししたいんだけどー」



夢野さんは来たばっかりなのに、


飴村さんを半ば強引に引き摺るようにして帰った。



二人が店を出て行った途端に、がらんとする店内。



しばらくぼーっとする。



……あぁ。そうだった。



ラノベの在庫、確認するんだった。

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