8.心の臓 ページ8
『……でも、相川さん、どうしてここに？』
いつの間にか、私の隣に座っている相川さん。
上着をわざわざ私に着せてくれて、体が寒くなるのは防げたようだ。
「ふふ、どうしてだろうね？」
『え、でもここ女子トイレ……』
偶然で行き着くなんてないよ。うん。
それに、形式上はお互いで授業をサボったということになる。
それは嫌だな……。
『あの、相川さん、先にいってて良いよ』
『この上着はちゃんと洗って返すし……それに、私のせいで相川くんが…』
「…………君はつくづく僕を苛立たせるね」
『………………へ？』
彼がなんていったのかがわからなくて、言葉を漏らす。
ものすごく低く、小さな声だった。
「ううん、何でもない」
しかし彼はにこっ、といつもと同じような声のトーンで笑う。
え、なに？
先程の言葉がわからなかっただけで、かなり混乱した。
『え、え？』
「とりあえず、さ、保健室行かない？」
『え？』
「替えの制服。借りなきゃ」
『あ、う、うんっ！……』
相川さんに促され、私はびちょびちょのまま保健室に向かう。
そして制服を借りて、見られないところで着替えた。
とりあえず、服装は問題ないんだけど……。
『あの、上着……ごめんね、濡らしちゃって』
「ううん、良いよ。全然」
『で、でも、寒いし……その……わ、私、外套持ってきてるから！貸してあげる！』
「………………」
相川さんはポツン、と急に黙り始めた。
………………え？え？私なにかいった？
「…………ぷふっ、あはははは！」
『え？え？え？な、なにか言った！？』
何か気に触ることでも言ったのかな？
え、マジで私なにかした？
「んふふ、僕、君が風邪引かないように上着あげたのに、君の外套、僕に貸しちゃったら風邪引いちゃうじゃん？」
笑いながら、彼は説明してくれた。
………………あっ！そういうことね！
な、なんか恥ずかしい！……そして申し訳ない！！
『ご、ごめんね、私！……』
恩を仇で返すようなことを言ってしまった……！！
謝罪をすると、彼はまたにっこりと優しげな笑みを向けてくれる。
「ううん、君のそう言うところ、好きだよ」
……………………へ？
す、すすすすすすすすすき！？！？！？
ぼんっ！！と顔が真っ赤になる。
え、何で相川さんみたいなかっこいい子が私に！？今日だって初めてあったばかりなのに……
何で、こんなにドキドキするんだろう。
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
