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コツン、とどんぐりが手のひらに落ちてきた。
『あ、ありがとう……』
「おうよ」
結構男前なんだな。たぬきだけど。
先程坂田の相棒と勝手に決めつけてしまったが、もしかしたら違うかもしれない。
その相棒君と同じ一族みたいなのもあるかもだし。
「いやぁ、しかし、ここに人間がいるとは」
『……あ、いや、』
「んで、多分生け贄だろうけどどの神の嫁になるの？愛人？」
よ、嫁！？愛人！？
何で生け贄なのにそんなの……！
急に真っ赤になる私を見て、たぬきは声をあげて笑う。
「ふっ、初々しい反応だなあ」
『そ、そんなことなっ！……』
「神の相手なんて大変だろうよ」
___どういうこと？
訝しげに彼を見ると、またふっ、と笑って話し出した。
なんだか解せぬ。
「神はなあ、束縛が強いんだよ。中には自分の番を閉じ込めちまうやつだっている」
『そ、束縛……』
番、そらるは運命が決めた俺の奥さんっていってたっけ。
確かに、私が家出しないよう閉じ込めてる。なんか似てる……って！！
私はあいつの番じゃないし！！
ブンブンと頭をふって否定する。
「……って、俺初対面のやつになんて話してんだ」
今さら気づいたのか。
「……しかし、雨やまねえなあ。そらるさん、泣いてんのか」
あ、そらるのことしってるんだ。
でも確かに、雨は止むどころか更に勢いをまして降り注いでいる。
大雨状態だ。
そんな雨を見ているとなんだか申し訳ないような気持ちに鳴る。
「このままじゃ風邪引くよな。小屋のなかに入れたらいいんだけど……」
じいっと、後ろを振り返り扉を見つめる。錆びだらけの扉の奥には、どんなものがあるのだろうか。
『とりあえず、はいってみる？』
「ま、そうだな」
私はしゃがみこみ、目の前のたぬきに向かって手を広げる。
たぬきはずいぶん訝しげに私を見つめた。
「なんだよ」
『だっこ』
「えぇ……」
『だっこ』
「何でそこまで……」
『だっこ』
「はいはいわかったわかったから！！」
根負けしたたぬきは大人しく私の腕の中へとやってくる。あぁ、……このもふもふ感。たまらん。
すりすりと頬釣りをしたあと、目の前にある扉を開いた。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2021年9月26日 13時) (
レス) @page42 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
しろむ(プロフ) - ２ヶ月ほど占ツクを離れていたら、完結していてビックリです！うぐいすあんさんの作品大好きです。今回も素晴らしい小説ありがとうございます (2020年1月31日 21時) (レス) id: 3eaa2e0c73 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - すばるさん» 私もすばるさん好きです〜！そらるさんの可愛さを最大限引き出せましたかね！？こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月19日 13時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» いつもありがとうございます！優勝できましたイエーイ()今回はほんわか系を書いていたのでどうしても過去編がシリアスになってしまいました……。はい！楽しみにしていてくださいね！ご満足できるような作品を作れるよう頑張ります！ (2019年12月19日 13時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - らfkー(らふきー)さん» ありがとうございまrrrrrrrrrrrrrrrrrrす！過去編はかなぁり凝っているので、泣いていただくほどのお話ができてとても光栄です！ (2019年12月19日 13時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2019年11月10日 22時
