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数分後、暫くの沈黙の時間に私は押し潰されていた。
辛い……殺して……死にたい……数々の羞恥心が襲ってくる。あぁ、読まれてる……黒歴史が……読まれてるううううう!!!!
「……面白い」
『______へ?』
「何これ、面白いね」
『……え、あっ、えっ……』
ふと優しげな笑みを浮かべた相川に私は呆けた顔を浮かべて混乱する。
オモシロイ?ナニが?この小説が?
おもしろ、おもしろい?
「この男は真夏って名前なんだね。なんだが僕の名前と似てる」
うっ!!!!
図星を当てられ、言うことがなくなる。
そうなのだ。この小説は相川と付き合ってから書きたいという欲がうずうずし、男の名前を直接真冬にするのも恥ずかしくて真夏という名前にした。
普段なら私は何とか言い訳しているだろうが、誤魔化す気力がなかった。
しかし、相川は話を進めてくれた。
「……これ、真夏くんの目線がないのなら表情を細かく書いた方がいいんじゃない?」
『_____へ?』
「読み手が想像しやすいようにするの」
『………あ』
確かに。
今までは自分しか読んだことないからそんなこと考えたこともなかった。
恥ずかしいから読んでもらうこともなかったし。
「これ、お金持ちの男の人と一般人の女の子が恋する物語なんでしょう?」
『う、うん……』
「女の子が真夏くんこと好きってわかる描写は多いけど、真夏くんが女の子を好きってわかる描写が少ないかな」
……こいつ。
たったの数分でよくこんなに……。
「あ、赤面だけじゃなくていいよ?例えば目をそらすようになったとか、口数が少なくなったとか、……」
『あ、あんた、なんでそんなに……』
なんでそんなに詳しいの。
そう聞いた。相川は少し目をそらして、まとめた紙を口元にもっていく。
「…………どっかの誰かさんが鈍感だから、どうすれば意識してもらえるかなって悩んでいっぱい見てただけ」
どっかの誰かさんが自分だと気づくまであと3秒
_________
恋愛話は書くの楽しいですねぇ…( ^ ω ^ )
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2021年3月14日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - リート@暫く浮上しません。さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません……!!ありがとうございます!そういっていただけてとても嬉しく思います!はい!だらだらします!()コメントありがとうございます! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
リート@暫く浮上しません。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から最後まで二回も見るくらい、面白い作品でした。羨ましい。ゆっくり休んで疲れを癒してくださいね。改めまして、完結おめでとうございます。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 5e7567a452 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» こちらこそいつもみていただきありがとうございます!!このお話、結構ストーリー凝っていたのでそういっていただけると頑張った甲斐があります!はい!是非楽しみにしていてくださいね!頑張ります! (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» こちらこそいつもありがとうございます!!あ、その心配はありませんよ!私、めちゃめちゃずぼらですので!!( ・`д・´)ご心配していただけて誠に嬉しく思います!ありがとうございます!!!! (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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