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「___その怪我、まだ治ってないんだから、しばらくは絶対走るなよ」
『わかってるわよ！』
「あと、俺のことは言うなよ？下手したら銘崎家のやつらに殺される」
『はいはい』
何度そんなことを確認されたか。
こくこくと頷いても、彼はまた同じことを繰り返す。
そろそろあの噴水の広場につく。
『___そう言えば、貴方の名前聞いてなかったわね』
「……えー、今さら？」
『今さらよ、で、何て名前なの？』
めんどくさそうな表情を浮かべる彼に、名前を問い掛けた。
そして、返ってきた答えが……
「_____そらる」
『___そら、る？』
「うん」
そらる……聞いたことのない名前ね。
彼、そらるは切な気な表情を浮かべ、それを告げた。
これが本名なのか、それともあだ名とかだったりするのか。
そう考えているうちに、噴水の広場についていたようだ。
「___じゃあね、A」
『___ええ、また会いましょう』
そらるに手をふり、その背をじっと見つめる。
___そして、辺りを見渡した。
周りは人だらけ……だが、ここから先は道のりを覚えているはず……。先程から被っていたフードを深く被せる。
記憶力を信じて、屋敷までの長い道を、ごった返す人混みの中あるきだそうとしたときだった。
.
.
「___A様」
パシッ、と大きい手の細い指に手首を捕まれる。
振り替えると、息を切らした彼、真冬が私を呼んでいた。
片方の手で汗をぬぐい、私を引き寄せた。
『ま、真冬……』
「___とりあえず、屋敷に帰りましょう」
『あ、あのっ……！』
「話はあとです。貴方を探すためにいったいどれだけの時間を費やしたと思ったんですか」
___やっぱり、怒ってる。
力が少し強い。無理矢理引っ張られて、無意識に足が速まり、足首がずきずきと痛む。
彼は私に背を向けて、人混みのなかを突き進む。
____ごめんなさい。
その言葉が言えないのが、どんなに辛いのか、今、身をもって知ることができた。
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ほのりんか - ぷりんななりぃさんさん» 私も、坂田だと思ってました！だから、そらるって名前が出た時に、『ｳﾜｫこれそらるさんだったのか！ﾋﾞｯｸﾘ』ってなりました (2019年8月1日 9時) (
レス) id: 4d1e584c0f (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんななりぃさん - そらるさんのくだり名前でるまでずっとさかたんだと思ってた…！！ 今思えば関西弁じゃねぇな・ω・ (2019年7月25日 0時) (レス) id: 256292723d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 初コメ失礼します。続編気になります。無理はしないで欲しいのですが、出来ればお願いします！ (2019年7月17日 19時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
黒羽呉羽 - 読みました！！凄い良かったです！！続編気になります！ (2019年7月17日 17時) (レス) id: 1d4e264f44 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - コメント失礼します！無理はしないでほしいのですが、続編気になります！ (2019年7月17日 15時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
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