【完結】あのね、ずっと好きでした。【KY】

9話 ページ9

目覚ましの音で目を覚まし、念入りに髪を整えてメイクもかなりうまくいった。
服も普段着ないような大人っぽいやつ。
今日は約束の、キヨ兄ちゃんとのお外デート！！
前日に持ち物は詰めたし、寝坊もしなかったから準備も時間がかからなかった。
キヨ兄ちゃんの車で行くので、待ち合わせは私の家の前。
約束の時間まであと30分もある。
時間にならないかなぁとリビングでくつろいでいると、ピンポーンとインターホンがなった。
まさか…ね。と思いつつインターホンの受話器を取った。

＜よっす。もう起きてんだろ？いこうぜ＞

やっぱりキヨ兄ちゃんだったあああ。
私の行動パターン全部お見通しか！
急いで自室までバッグを取りに行き、忘れ物はないか確認する。
…よし、大丈夫。
髪もメイクも、大丈夫！
恐る恐る靴を履き、玄関のドアをあける。
キヨ兄ちゃんは正面に居なくて、ドアをもう少し開けるとキヨ兄ちゃんは壁に背中を預けて寄りかかっていた。

｢おはようキヨ兄ちゃん｣
｢おは…わお｣

キヨ兄ちゃんは私の頭のてっぺんからつま先までじーっと見つめている。
変だった…？

｢馬子にも衣装だな｣
｢…それ褒めてる？｣

キヨ兄ちゃんは私の膨らんだ頬を潰すと、褒めてる、綺麗だな。と目を細めた。

｢っと、そろそろでねぇと車混むかもな。 A、行くぞ｣

さっきまでのいい感じの雰囲気はどこへやら。
サッサっと車に乗り込んでしまったキヨ兄ちゃんに続いて私も乗り込む。

｢行きたい所ってあの遊園地だよな？｣
｢そう！昔行ったよね！｣
｢そうだな。お前がソフトクリーム落としてギャン泣きしてたよな｣

え、そうなの！？ほんとに？
とキヨ兄ちゃんに問いただすと、笑うばかりで教えてくれない。
教えて！思い出せ。教えて！！思い出せ。
の繰り返しで、気づいたら遊園地に着いてしまった。

｢わあああ！！結構変わったなぁ｣

幼い頃の記憶と照らし出すと、かなり綺麗になった。
見たことのない乗り物まであるし、無くなってしまったものもある。
ワクワクしながらどれに乗ろうかと考えていると、頭に違和感。
触ってみると耳の付いた帽子の様な…？

｢暑いから被っとけ｣

キヨ兄ちゃんも可愛い耳の付いた帽子を被っている。
え、これ…買ってくれたの？

｢あ、ありがと｣
｢いーえ。どれ乗る？｣

と、キヨ兄ちゃんは私が持っているパンフレットを覗き込み2人であれに乗ろう！と走り出した。

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