【完結】あのね、ずっと好きでした。【KY】

7話 ページ7

あの後、興奮したお父さんにお酒を注がれ飲むとまた注がれ…さすがにお母さんが注意してやっと止まった。お父さんは叱られてしょんぼりと縮こまっている。
キヨ兄ちゃんは少し眠そうにしており、そこまで酔って居るようには見えない。

｢キヨ兄ちゃん大丈夫？｣
｢ん、大丈夫だよ。さんきゅ｣

と、いつもよりも毒気が抜かれた言葉にきゅんとくる。
お母さんはお父さんを寝室へと運んだ後、キヨ兄ちゃんに近づく。

｢キヨ君、今日泊まってって！清川さん達今海外言ってて家に帰っても1人なんでしょ？｣
｢いえ…帰ります。すみませんお皿とか片付けたいんですけど…｣

と、キヨ兄ちゃんは椅子から立ち上がるとフラッと私に倒れこむ。
慌ててキヨ兄ちゃんの腰を支え、倒れないようにぎゅっと抱きしめる。
うわ！！ラッキーイベント！もう離しません！！

｢その状態じゃ家にも入れないだろうし少し休んでってよ。片付けぐらい私がやるから。安心して休んでて｣
｢っは、わりぃ｣

キヨ兄ちゃんをリビングのソファーに寝かせると、キヨ兄ちゃんはゆっくりと目をつぶった。
キヨ兄ちゃんが寝付くのに時間はかからなかった。
私はお母さんと食器を片付けたり、机を拭いたりぱたぱたと動き回っていた。
大体片付きお母さんが洗濯物を取りに行った所でキヨ兄ちゃんが目を覚ました。

｢キヨ兄ちゃん、もう大丈夫？｣
｢ん、さっきよりかは｣

キヨ兄ちゃんはそっかって笑った私の頬を撫でた。
あ、これ。私の好きだったやつ。
うっとりと目を細めてると、キヨ兄ちゃんの手が止まる。
どうしたの？と、目を開けるとキヨ兄ちゃんはじっとこちらをみている。

｢帰るわ｣
｢へぇっ！？あ、じゃあ玄関まで送るよ！｣

びっくりしたキスされるのかと思った。
まだ足取りが怪しいキヨ兄ちゃんの後ろを追いかけ、玄関まで向かう。

｢またゲームで遊ぼうね！｣
｢お前弱いからやだ｣

なんだと！？くっそやり込んでやる…。
眉を寄せてムッとしていると、キヨ兄ちゃんはだから。と口を開けた。

｢だから次は家じゃなくてどっか遊びに行こうぜ｣
｢家、じゃなくて？｣
｢そう、映画でもいいしゲーセンでもいいし。次行きたい所あったら決めとけよ｣

キヨ兄ちゃんは靴のつま先をとんとん、と鳴らすと玄関のドアを開けた。

｢おやすみ。また明日な｣
｢っ…うん！おやすみ！｣

キヨ兄ちゃんは最後に笑うと玄関のドアを閉めた。
また明日ってことは…明日も会えるんだよね。
どうしよう寝れないかも…

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