【オリオンの刻印】日本の女神？元通り魔ですが (ページ22)

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第18人目トロイの木馬を壊せページ22

「一星だ」
灰崎にそう言われて、やっと腑に落ちた。
＿光が当たるように立ち位置を＿
＿フォーメーションを乱すような＿
私はきっぱり言った。
腹立ったけどね、穏やかにできたんじゃない？
「んで、一星、殺(どう)します？」

「一星は、試合から外すことはできないんだよな？」
協力することになった時、私は監督から教えられた情報を鬼道さんに渡した。
加入過程はもちろんすっ飛ばしたけど。
「ええ、そうですよ＿＿国家友好大使とかなんとか。監督の介入は無理でしょうね、監督には。」
「……そうか」
私達2人の視界に一星(アイツ)が入る。
殺したい。
その時私は憎しみを覚える＿＿駆り立てられるような、私の体を見えない糸で操るような。
‘本心’とはちょっと違うような。
私達は風丸さん達の所へ駆け寄る。
「一星は何者かが送り込んだ“トロイの木馬”だ。豪炎寺の足をやったのも……奴らの計画的犯行だろうな」
「……それで、どうするんだ？」
愚問ですね、そう口から出そうになるがこらえる。言わない方がいい。
「決まってるだろう。
一星充を、排除する。」
計画が頭の中を渦巻いてる。
どうする？恋人という立場は何に使う？
最悪殺す？
鬼道さんが向こうへ歩くのが目に映る。
灰崎とヒロトに何かを話している。
大体の察しはつくけど。

2人は攻め上がる
「おらっ！」
灰崎がパスらしきボールを渡す。
豪速球。
ただしそのボールの目標は、一星。
「ぐあっ！」
見事ボールは一星の腹を抉る＿＿ものすごい音。
ボールを受けた本人は倒れ込む。
「はっ！ナイストラック！」
「おおーっと⁉一星どうした！灰崎のパスに被弾してしまった！」
「おらよ！」
「がっ！」
ヒロトのパスも一星にヒットする。
男は物理的にいじめる、どっかで聞いたな。
『ざあまみろ』
そんな5文字が見えた気がする。
……何これ。
気持ちいいはずなのに、嫌がらないはずなのに、喉の奥が苦い。
不快感がする。
灰崎とヒロトが一星を痛めつけるのを見るたびに胸も痛む。
拒否？なんで。
(とにかく、この方法なら私は関わらない方がいいな)

しかしボールは敵に取られ回される。
また光を使うんじゃ。
韓国戦と同じ展開が目に見える。
一星も照射に合わせて動＿＿
「ウゼェ手はもう使わせねぇ！」
灰崎が妨害する。
敵に明日人と氷浦が立ちはだかる。

ピカッッッ！！

「「ぐわぁっ！」」