■それぞれの… ページ13
光side
滅多に弱さを見せない彼は
強く、野太く、そして脆い。
どんな事も耐えるしぶとさと
差し伸ばされた手に気づかない鈍感さ。
ある意味貪欲、とも言えるほど。
人前では笑顔を繕い
独りになった時、やっと本性を現して。
“ 大丈夫。俺は平気だから ”
そう繰り返し呟く姿は
まるで自分に暗示をかけるような
そんな風にも見えて。
慧「 ふふっ…２人とも来てくれたの? 」
雄「 うん、大丈夫か? 熱あんだろ? 」
少なからずあの日から、
突如途切れたあの幸せな日々に
もう彼は戻って来ないんじゃないかって
どんどん離れていく気がして。
根拠１つない、そんな考えに
悩まされるここ最近。
俺にとってはビックニュースなんだけどなぁ…
目の前で無邪気に笑い合う雄也と慧を見て
何故かモヤモヤするっていうか。
慧「 ほぇ? 大丈夫だよ、元気だもん 」
彼が無理をして笑う度
心の何処かで焦っていくような
手の届かない方へと遠ざかるみたいに
俺らと慧の間に出来ていく空間。
ファミレスでご飯食べて
学校でふざけ合って、笑い合って
いろんな場所に遊びに行っては
写真撮ったり、食べ歩きしたり。
あの日々がまるで、
最後の思い出みたいに…
そう思っちゃうのは…どうしてだろう。
まだまだいっぱい約束したじゃんか。
男５人で温泉行って
海外旅行なんか夢見てさ。
なのに何で……?
前と比べて痩せたし
しょっちゅう熱出して寝込んでるし
それでも辛い顔１つ見せず
ひかるって、
あの笑顔でそう呼びかけてくれるのに。
慧「 ……ひかる、? 」
それなのに俺は
訳の分からない考えに戸惑わらされて
考えたくもないその先まで
勝手に見出して、そして落ち込んで。
結局は自業自得なのに
心は張り裂けそうに痛くて…
光「 …バカだなぁ……俺 」
不意に溢れたその言葉に
慧も雄也も驚くように俺を見つめる。
頭でも冷やそうと
椅子から立ち上がった。
光「 ……っ、? 」
慧「 …何だか知らないけど。
特別に慰めてあげる 」
突然腕が引かれたかと思えば
ふんわりと香る慧の匂い。
熱のせいか熱く感じる彼の背中に
気付けば自然と腕を回して。
光「 …へへっ。貴重な慰め、ありがと 」
慧「 ほんと珍しいんだからねぇ? 」
２人して抱きつきながら
久々に、笑い合った気がした。
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新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました！更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りみ | 作成日時：2017年10月15日 13時
