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3章9話「珍事件、崩壊に終わり(2)」 ページ48

「そのまま落ちてきて。僕が蔦で受け止めるから…。」
錦は言われた通り飛び降りた
安定した蔦が身体に巻き付き、そのまま上へと上げられる


「■」「見えた?」
錦「こ、れは…。」
「■」「………驚かせたよね。」
錦「あ、あぁ……。」
正直に言うと、とても愛らしい…とは言えないが、多分見られて気付かれている。
「■」「………もう。」

「■」「鳥籠で身を守ったところまではよかったんだけど、そのまま吊るされちゃって。どうにもできなくて困ってたの。」
錦「どうすればいい?」
「■」「このまま蔦で巻けば鎖を壊すことはできそうなんだけど、能力が解除されないから………。」
錦「…某の空間に入れてそのまま運ぶ。」
「■」「…いいの?」
錦「もちろん。」
「■」「ありがとう。」

「■」『明朧はまた崩壊し始めてる事に気付いてそっちをなんとかしに行ってるからここにはいないよ。』
錦「そうだったのか。」
「■」『そう。あ、ねぇ、壱隠とお蜜は…?』
錦「壱隠は多分隠れた。お蜜は見ていない。」
「■」『わかった。お蜜の場所を確認するから壱隠の方に向かって。』
錦「ん。」
「■」は錦の移動速度の遅さに気付いた
「■」『…能力が使えないなら言って。バフかけるよ。………これで移動が早くなる筈。』
錦「いや、使えない訳では無いが……使うと多分曲がれない…。」
「■」『あぁ……そういう事…。』
ー数時間前ー
壱隠(壁、叩かれてる。どうしよう。)

「………わん!!わん!!」
壱隠(あ、お蜜の声だ。)
「わう、わう…。」
壱隠(…………あ、開いた…)

壱隠「………お蜜!」
壱隠(あ、能力で確認しないと。)
壱隠「………………………本物のお蜜だ!」

壱隠「お蜜〜。」
壱隠「怖かった…。お蜜だと思ってたら化け物だったんだ…。」
お蜜「くぅん…くぅん…。」
壱隠「へへ…なでなでさせて。」
お蜜は嬉しそうに壱隠に抱きついた
お蜜「…。」
壱隠「尻尾千切れちゃいそう…大丈夫……?」
お蜜「わんっ!」
壱隠「ならいいけど………あ、市女さん探してる?」
お蜜は興味津々だ
壱隠「つい……このまま移動する!もうちょっとだけ一緒にいさせて。」
ーー
壱隠「ほら、ここ………あれ?」
市女はここで固まっていた筈なのに、何処にもいない
壱隠「市女さんを探そう。」
市女「探さんでもおるよ。」
壱隠「市女さん!」
市女「んふふ。おいで。」
壱隠「………あったかい…。」

市女「お蜜も来ぃ。」
お蜜は怪しんでいる

3章10話「落ちた落ちた落ちた!」→←3章8話「珍事件、崩壊に終わり(1)」



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作者名:魔人。 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2022年2月8日 0時

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