■■■■■「処刑人■、終わり。」 ページ37
ぱちり、ぱちり
くたり、へたり
くたり、くたり
くひ、くひ、くひ
………起こされた。
処刑人「………………おはよ。」
■「もう!暖炉の火を消さずに寝ないの!」
処刑人「………ごめん。」
■「全然いいよ!」
処刑人「………………僕と君だけ?」
■「うん。ちゃんと全部確認してきたよ。」
処刑人「………………………わかった。」
■「あ、お菓子買ってきたんだ。一緒に食べよ。」
ー崩壊途中のコルラノ(家の前)ー
処刑人「…………。」
■「………。」
処刑人「………食べる事に集中しちゃう。」
■「………そうだね。」
■「ねぇ、これからどうするの。」
処刑人「………………………旅、したい。」
■「………どうして?」
処刑人「………………旅、をして。楽しそうにしてた。」
■「………………うん。じゃあ旅をしよう。」
処刑人「雪の中の食べ物全部持っていかないと。」
■「お手伝いする!」
処刑人「………………ありがと。」
■「じゃあ、こっちする。」
処刑人「うん。」
ーーー
にんじん、トマト、キャベツ、胡瓜…
■「………いっぱい出てきたね。」
雪林檎、雪蜜柑、雪葡萄…
処刑人「うん。」
猪の死体、狼の死体、豚の一部…
■「全部空間に入れるね。」
誰かに貰ったワイン
気を遣われた結果の産物
怖がられた結果の末路
処刑人「………僕は、旅をする。」
■「うん。」
処刑人「………………もう、帰ってこないよ。」
■「うん。」
■「じゃあ、行こっか。」
その前に、2人揃って家に一礼をする
もう振り返らない
歩みを止めない。
家
家。
とある雪原にある、とある処刑人の家。
その家はドアの立て付けが悪く、家そのものの所々に穴が空いている。
そこからの風はとても寒く、一度吹けば全身が凍るように冷える。
家の中もあまり良いものとは思えず、端のベッドは脚が折れて左側を下にして斜めに傾いている。
机の脚が何度も折れて椅子よりも低くなった
椅子の背もたれは穴を塞ぐ為に切り落とした
壁紙は所々剥がれ、壁の木材にはズレが見える
床は数カ所だけ綺麗に剥がされている
全体的に見ても、とても小さくとても古い。
2人の後ろで、どうやって形を保っていたのかがわからない家が____
今崩れた。
これは、前も見えないくらいの暗闇の中での話だ。
小話「旅はどこで終わる?」→←2■■■■「処刑人■、終わり」
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