2章13話「わからなくなった子供（1）」 ページ14
なぁ、ライカ。
俺、どうしたら■になれるんだ？
俺、どうしたら■をやめられるんだ？
ライカじゃなくてもいい。
父さんでもいい。
姉さんでも兄さんでもいい。
頼む………誰か………■に■としての生き方を教えて…………。
ライカ「…。」
ラズル「考え事は終わったか？」
ライカ「………あぁ。終わった。」
ラズル「弟が待ってるだろ。帰るか。」
ライカは自分の左肩を見つめる
ライカ「そうだな。帰るか。」
ー家atミルクー
ラズル「あっぶねぇなぁ…。」
ライカ「ギリギリすぎた………。」
家に帰ってからは大変だった。
大急ぎでミルクを作り、哺乳瓶に入れて小さな赤ん坊の口元に運び、そして飲ませた。
ラズル「…今日はもう寝るか。風呂の用意とかしてくる。」
ライカ「ありがと。」
ーー
ラズル「………………………。」
ライカ「…………？」
ラズル「………あれ、俺達」
ライカ「…………また、やっちまったな。」
ラズル「……ははは。」
ーリビングー
俺達の姿を見た父さんがこちらに駆け寄ってきた
■■「お前ら……心配したんだぞ………。」
父さんは俺達を抱きしめて泣いている
■■「何かあったらちゃんと言うんだ。わかったな？」
■■「……………でも…………できなくてもいいからな。」
ー
■■「俺が帰って来る日でよかった……。」
ラズル「俺達が悪かったからもう泣かないでくれ。」
■■「………心配しすぎて涙がとまらん……。」
ラズルはティッシュで父さんの涙を優しく拭く
少しして、やっと落ち着いた父さんが口を開いた
■■「お前ら結構酷かったぞ………。」
■■「ライカは弟にミルク飲ませたまま泣きながら寝てるし、ラズルは風呂場のドアに頭打ちつけて泣いてるし…。」
ラズルはライカは顔を見合わせ、笑った
ラズル「思ったよりも酷かった…！」
ライカ「っ、ふは」
■■「……お前ら……俺は心配で仕方なかったんだぞ………？」
ラズル「………ありがと、父さん。」
ライカ「ありがと………。」
■■「………………………はいはい。」
おまけ話「自分がいなかったら、と考えたことはあるか？」→←2章12話「下ろしてほしかった子供達（1）」
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