おまけ話「次の日」 ページ30
赤月「昨日はありがとう。」
悲「大丈夫ですよ。」
赤月「ん……おいしい。」
紅月「…。」
赤月「どう？パンケーキはおいしい？」
紅月「はい。」
赤月「よかった。」
紅月「あ、ココアありがとうございます。」
赤月「ん、ほかほか…。」
悲「よかったです。」
赤月「……。」すりすり
紅月「どうかしました？」
赤月「………。」ぎゅー
紅月「兄様？」
悲「紅月さんがココアを赤月さんに譲ってしまったので、ココアの温かさを共有しようとしてるんじゃないですかね？」
紅月「多分そうです、ね。」
赤月「紅月、家帰ったらどうする？」
紅月「…どうしましょう。」
悲「帰ってから決めては？」
赤月「それがいいのかもね。紅月はどう思う？」
紅月「兄様がそう言うなら…それがいいです。」
赤月「ふふ。」
ーー
赤月「悲しみの魔人さんって、破壊の魔人っていう説もあるって聞いたけど、本当？」
悲「そんな逸話もあるのですね。」
赤月(……む…揉み消された…？)
紅月「あの」
悲「どうかしましたか？」
紅月「悲しみの魔人様は、他のまじん様方から弱いと言われているのに…どうして四天王に？」
悲「それは私も知りたいですね。」
赤月「悲しみの魔人も知らなかったの？」
悲「はい。」
赤月「もしかして、適当に決まってたりする？」
悲「そこは永炎の魔神さんに聞いてください。」
赤月「四天王の中で1番強いから？」
悲「はい。」
赤月「そっか、昨日はありがとう。また来るね。」
紅月「また来ます。」
彼らは帰っていった
悲「……はぁ。少し休みましょう。」
悲「…。」
カランカラン…
悲「いらっ………えぇと…お帰りなさい？」
■「ただいま〜。」
帰ってきた彼をカウンター席に座らせる
悲「今日は休みですか？」
■「うん。無理矢理休まされた。」
悲「…貴方が休みを取らないからでしょう……。」
■「……そうかも。」
悲「貴方の病気は治った訳ではありません。」
■「わかってるよ。」
悲「……皆さんは貴方の身体の事も心配しているんです。」
■「……。」
悲「貴方の病気は無理矢理止められているだけで治った訳ではない。貴方の街の方々はその事を解っています。だから、貴方を無理矢理にでも休ませるんです。………わかりました？」
■「……お説教みたい。」
悲「……嫌でした？」
■「ううん、僕が魔神になる前は誰にも相手されてなかったから、なんだか嬉しかった。」
…そう言う彼はなんだか寂しそうで見ていられなくなり、とりあえず優しく抱きしめた
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