1章5話「兄弟の■■」 ページ29
悲「またですか？」
紅月「…。」
紅月「兄様だって、殴りましたよね…。」
■■「…ごめん。」
■■「だって、あんなに言ったのに聞かないから…。」
紅月「だって…。」
紅月「……。」
■■「…。」
■■「紅月、ごめん…。」
紅月「…。」
■■「…。」
■■「なんで何も言わないの！！！」
グシャッ
悲(はぁ………。)
■■「……あ、あ…。」
■■「ごめん……ね………。」
悲(このままだといつものパターンに……！)
悲「赤月さん、勢いに任せて飲まないでください！落ち着いてください！」
赤月「紅月は…治る………？」
悲「休めば治りますよ。」
赤月「ほ、本当…？」
悲「はい。…いつもの部屋使いますか？」
赤月「うん………お願い。」
悲「はい。紅月さんを運びますね。」
赤月「ヤダ…紅月は俺の…。」
悲「言っただけですよ？」
赤月「それでも、ヤダ……。」
悲「…。」
2階に上がった
ー窓がない部屋ー
悲「どうぞ。ゆっくり休んでくださいね。」
赤月「…ありがとう。」
ガチャン
赤月「ごめんなさい……ごめんなさい…。」
紅月「………。」
赤月「紅月は何も悪くないのに…。」
紅月「に、さま……。」
赤月「紅月。」
紅月「だいすき、です。」
赤月「僕も、大好き。」
紅月「ずっと、いっしょにいましょう。」
赤月「うん。生きるときも、死ぬときも一緒がいい。」
紅月「………………家でのことは、ごめんなさい。」
赤月「いいよ。でも、どうやってベランダに？」
紅月「ワープで間違って飛んじゃったみたいです…。」
赤月「今度からはワープでも飛べないようにする。」
紅月「お願いします…。」
赤月「眠いね……。」
紅月「ですね…。」
赤月「寝よう…。」
紅月「…はい……。」
赤月「こっちに寄って。」
紅月「はい……。」
赤月「もうちょっとこっち。」
紅月「こ…こうですか…？」
赤月「そうそう。」
赤月「………………温かい？」
紅月「…はい………。」
赤月「…このまま……」
ーカウンターー
悲「ふぅ…店じまいをしませんと。」
悲(あの兄弟、いつ見ても歪んでますね。)
悲「関係と生い立ちって怖いですね…。」
悲(あとは…あの部屋に看板掛けて、外に出て閉店の看板に変えて、帰るだけですね。)
ー窓がない部屋ー
光が入らない程度にドアを開け、中を確認する
悲(……気持ちよさそうに寝てますね…。)
2人が眠る部屋のドアのフックに看板を掛けた
ー喫茶店・外ー
悲(また明日。)
悲しみの魔人は喫茶店を離れ、家へと向かった
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