【浮世世界】（壊） (ページ16)

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序章13話「第四区域（3）」ページ16

シェス「…………ナビをありがとう。おかげでちゃんと着けた。」

シェス「……奥にあるのにわかりやすいな。」
第四区域の奥に、とんでもない高さの瓦礫が見えた
シェス「あの奥には…何があるんだろうな……？？」
とりあえず、真っ直ぐ進むことにしよう。

シェス「………………あれ。もう着いた。」
真っ直ぐ歩いたのか…？
いや…でも……俺は…
俺はいつ歩いた…？

シェス(も……………もう少し、探索するか。)
シェス(……。)
シェス(…………。)
……………………あれ？
俺、いつ動いたんだ？

…廻

シェス(……まだ、色々なところを見れそうだな。)

…命

………………………………土。

土が、上がり、それに応じるように全てが盛り上がっていく
家が、店が、何もかもが、どんどん………どんどん瓦礫の壁の方へと押し上げられていく

シェス「う……ぉ……！？」
急いで逃げる、どこに逃げればいいのかはわからない………わからないけれど………………
それでも、それでもその場にいるよりかはまだいいだろう、と思ったから
だから端の方に逃げた

気付けば、事は終わっていた。
もう大丈夫だと、もういいと
……誰かが言っている。

『………さん、………さん。』
『………………起きて、起きて………………………起きてよ…。』
『………………………………………………………………ごめんね………。』

気付けば、朝になっていた

シェス「………倒れてた、のか。」
シェスは少しだけ、本当に少しだけ立つことを止めた。

あの日と同じ、風をくれ

朝の風を浴びようと、シェスはのんびりしすぎている。
シェス「……眩しいな。確かに、俺達は2度と浴びてはいけない光だ。」
朝日が昇り始めたとき、やっとシェスはその場から立ち上がった

ー瓦礫の壁の前ー
シェス「……で、どうやって進むか…。」
『………………さん、こういうときはこうやってするのがいい。』
『………何故？』
『■の好み………と、楽がしたい。』
『はぁ…………。』

シェス「………。」
シェス「………其れッ…！！！」
瓦礫の壁を壊さずに中に入ることができたらしい。
…………少し、懐かしい気配がする。