�� ページ21
これで、虚言癖の裏も取れたはず。
実はそのマスコットを、前にお店で売っているのを見たことがあったの。
もしかしたら、お母さんが 作った、とユウくんに言って与えた可能性も考えてそう聞いた。
本当にお母さんがそっくりに作った可能性もあるけど、一応 完了としておく。
次は 3 だね。
体重を確認、か…
でも見るからにユウくんは軽そうだし、さっき まくった腕を見ても明らかに細すぎた。
でも、一応確認しておこう。
そう思って立ち上がる。
その時、遠くにいい物が見えた。
｢ね、ユウくん。
あっちに観覧車が見えるよ。
ライトがすごく綺麗なの！見える？｣
おそらく、ユウくんの背だと見えない所にある観覧車を指さす。
ユウくんは 見たそうに、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。
そんなユウくんを見て、声をかけた。
｢ユウくん、抱っこしてあげるよ。
そしたら見えるでしょ？｣
ユウくんは少し戸惑った表情を見せたが、恐る恐る頷いた。
そして、力を入れて持ち上げようとした瞬間。
想像していたより全然軽くて 思わず目を見張る。
絶対、奈子が幼稚園だった時より軽い…
その現実に胸が苦しくなる。
ぐっと唇を噛み締めて、私の腕の上で観覧車を見て 楽しそうにしているユウくんを思わずぎゅっと抱きしめた。
ユウくんは驚いたようにビクッと身体を揺らしたが、大人しく私の腕の中にいた。
そして、私はゆっくりとユウくんを地面に下ろして微笑む。
｢ユウくん、お菓子食べる？｣
そう言って 私は奈子に頼まれて買ったクリームパンを鞄から取り出した。
その瞬間、嬉しそうにユウくんは頷いて クリームパンを受け取ると 勢いよく頬張った。
あまりの食べっぷりに驚いて、
｢ユウくん、ゆっくり食べよう！
喉に詰まっちゃうよ！｣
と、言ったが全く、食べるペースは落ちなかった。
そして、案の定 喉に詰まらせて咳き込むユウくん。
私は慌てて近くにある自販機に行き、お茶を買ってユウくんに与えた。
涙目になりながらお茶を飲むユウくんの背中を擦る。
これで、若武に言われた事は全て確認できた。
まさか、全て当てはまるとは思っていなくて 気持ちが重くなるのを感じる。
そして、ユウくんの背中を擦っていない左手に思いを込めるようにぎゅっと握り込めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーかり - な、なんと！私と同じ名前の人がいるとは！伸ばしつけたけど、え！？書いたっけ！？って思った、、、って、まぁ、更新待ってます！頑張ってください！ (2018年3月27日 21時) (
レス) id: 40a2a82728 (このIDを非表示/違反報告)
ramia - 私は今年中学受験生だった者です。受験はしんどいと思いますが、頑張ってください！ (2017年8月9日 20時) (レス) id: 847474aa7a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 私も受験生です！みなさん中学受験ですか？ (2017年8月1日 1時) (レス) id: 40c7213eb4 (このIDを非表示/違反報告)
夢衣(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます！お互い頑張りましょうね！ (2017年5月17日 7時) (レス) id: 89d0776e69 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 私も受験生です
大変だと思いますが、がんばってください！応援してます！ (2017年5月17日 1時) (携帯から) (レス) id: 71eaf23d72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢衣 | 作成日時：2017年3月18日 16時
