30, バイトとバイク��-1 ページ30
A side
商店街を抜け、快斗と並んで歩く。
『ねえ、ほんとにどこに行ってるの？』
と、聞くが
「オメーも行ったことある場所だよ」
と全く教えてくれない。
『あ……』
「ん？」
『ZX-6Rだ』
私の動きがピタッと止まる。
その目線の先には緑と黒がメインカラーのめーーーーーーっちゃくちゃかっこいいバイク。
『やばい…クソかっこいい…』
私が見とれていると、
「口の悪さ出てるぞ」
と、快斗が言う。
快斗に言い返すのも忘れるほど、バイクに目が釘付けになる。
そう、私はバイクが大好きだ。
どのくらい好きかっていうと、私と快斗とバイクのどれかひとつを切り捨てろって言われたら、喜んで私を切り捨てるぐらい好きだ。
止まって見つめたままの私を、行くぞと快斗が腕を引いて歩き出す。
『あー』
まだ待ってよ、あと1時間眺めたい。
「オメーほんとバイク好きだな」
快斗が呆れて笑う。
『今私が乗ってるバイクに、不満がある訳じゃないんだけど、てかむしろ相棒だから大好きなんだけど、私がバイク好きになったきっかけって、さっきのZX-6Rなんだよね』
信号待ちのバイクを見て、一目惚れしたのだ。
「ふーん。じゃあなんでその一目惚れしたやつ買わなかったんだ？」
『………やっとバイトでお金たまって、いざ買うぞっ！って時に、新一とバイク屋に見に行ったの。』
快斗が何故か嫌そうな顔をする。まぁいいや。とりあえず話そう。
『新一がZX-6Rを見た瞬間ね、“オメー服部のとおそろいじゃねーか”って…』
「ああ、西の高校生探偵の」
『嫌じゃん！身近にお揃いの人がいるとか！！私だけのバイクであって欲しいじゃん！！！しかもね！実際会ってバイク見せてもらったら全然違ったの！！！！！』
今だにあの怒りは忘れない。
新一に１ヶ月口を聞いてあげない！っと涙目で宣言したほどだ。
服部くんには悪いことしたな。めっちゃオロオロしてたし。
まぁ新一には相当効いたみたいで、バイクのカタログ片手に謝りに来たけど。シュンとする彼がいたたまれなくて1週間で許しちゃったけど。
『まぁ、今の愛車と出会えたんだから結果オーライなんだけどね』
私はニヒッと笑ってみせる。
「いくらバイクを買って初日だからって、駐車場で寝てた時は、まーじでビビったぜ」
………………言えない。
今でも、駐車場で1人バイクを眺めたまま寝落ちすることがあるなんて絶対に言えない。
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麦々茶(プロフ) - はるかさん» わぁぁぁぁめちゃめちゃ嬉しいです😭え、嬉しっ笑笑 (5月8日 19時) (
レス) id: 3bdc5c804c (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 一番最初のプロフィールから面白すぎます！！笑笑本当に大好きです笑笑 (5月8日 6時) (レス) @page2 id: 2597f3a6bb (このIDを非表示/違反報告)
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