13，高嶺の花子��-2 ページ13
「俺たちの条例忘れたのかよ！」
と、1人の生徒が声を張る。
するとその言葉にほかの男子たちが一斉に口を開いた。
「そうだぞ快斗！」
「近ぇよ！離れろ！」
「俺喋ったことすらないのに」
「てかシンプルにずるい」
そんな言葉が教室を飛び交う。
？？？？？
なんの話？誰か、誰か説明を求む。
「ライバル多いな」
快斗がボソッとつぶやく。ねぇだから何の話？！快斗に説明してと助けを求める。
「ちょっと男子！辞めなさいよ！」
「せっかくいいとこだったのに！」
「Aの邪魔しないで！」
「ほんと空気読めない」
私の快斗への気持ちを知っている女子達が男子に文句を言う。内緒話してたの見られてたのか……
や、やめて……ありがたいけど、やめてくれ………
快斗に私の気持ちがバレちゃうよ……
「黒羽くん、とりあえずAさんから離れて下さい。争いごとにならないように条例、作りましたよね？“高嶺の花には手を出さない”お忘れですか？」
西園寺(正)くんがそう言って野球ボールを構える。うわぁーわりとイケボぉじゃなくて！！まてまてまてまて、一旦そのボールを下ろせ。
「A、ちょっとこれ持ってろ」
『わっ』
快斗がいつの間に取ったのか、私のカバンと快斗のカバンを私の胸に押し付ける。
「わりぃなオメーら。そんな条例結んだ覚えねーし、高嶺の花なら盗んでなんぼだろ」
快斗がニヒッと歯を見せて笑うとくるっと私に向き直る。
「ちょーっと失礼？」
そう言ってヒョイっと私を持ち上げる。な！まさか？いやまさか、まさか、ね？
快斗がガラガラーっと窓を開ける。
いや、まてまてまてまて
青子も快斗の次の行動に気がついたのか、
「ちょ！バ快斗！」
っと慌ててこちらに寄ってくる。快斗は私を抱えたままヒョイっと窓のヘリに飛び乗ると、
「俺とAが早退するって言っといてくれ」
と言い残し窓の外に飛び降りる。
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
決して可愛いとは言えない叫び声が校庭に響き渡る。
落ちる落ちる落ちる落ちる！てか落ちてる！
ぶわっと風が吹き上げる。ギュッと目を瞑り、カバンを握りしめると、私を抱えた快斗の腕にも少し力がこもる。
そして私の頭上で、ハハッという快斗の楽しそうな笑い声が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麦々茶(プロフ) - はるかさん» わぁぁぁぁめちゃめちゃ嬉しいです😭え、嬉しっ笑笑 (5月8日 19時) (
レス) id: 3bdc5c804c (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 一番最初のプロフィールから面白すぎます！！笑笑本当に大好きです笑笑 (5月8日 6時) (レス) @page2 id: 2597f3a6bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
