Half step【4】 (ページ5)

今日:8 hit、昨日:11 hit、合計:41,934 hit

151 ページ5

「私でよかったら話聞きますよ？？」

小島くんの誕生日の集まりから1週間後、昼休みが終わる直前には席に来た佐倉ちゃんは、隣の席の椅子に座りそう言う。

「え？…なにが？」

「なんでもですよ〜、仕事のこととか人間関係とか？
愚痴とかって、人に言ったら楽になることありますよね〜」

佐倉ちゃんは、最近髪の毛が短くなって、パンツスタイルの日が増えて、ちょっと気を抜くと頼れるお姉さんに見えてしまうことが増えた。

「佐倉ちゃん、優しすぎて…
ごめん、もう泣きそう」

「あはは〜じゃあ決まりですね！」

店決めます〜と席に戻った彼女の優しさを噛み締めて午後の業務を頑張り、退社後2人で店に向かう。

電車には乗らず、会社のから歩く。

この辺りは、良規の働く店があったり、家があるから、最近敢えて電車に乗って避けていた。

結局佐倉ちゃんにも、全部は言えなかった。

ただ、良規のことが好きかわからなくなってるってことだけは吐いた。

そしたら、ちょっとびっくりした顔をしてた佐倉ちゃんだったけど、意見がまとまったのか、穏やかな顔して話し始めた。

「Aさんの好きなタイプは、全部を受け止めてくれる年上の人って言ってましたけど、それって年下でも問題ないですよね？」

「え、急になんの話？？」

「まあ、Aさんお世話焼きやから、歳下も可愛いって好きやと思うんですけどね。」

私は、正門さんと出会ってからのAさん、可愛いと思ってましたけど。

久々の恋バナで盛り上がりすぎた佐倉ちゃんは、酔っ払うと誰かに「会いたい」と、電話をかけ始めた。

数十分後、私たちの前に洗われた人物に、佐倉ちゃんはへらっと顔を緩めて笑い、私は多少覚悟はしてたものの驚いて固い顔をしてしまったと思う。