Half step【4】 (ページ11)

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つい先週、Lazy boysは、クリスマスイブのライブにサプライズ的に登場し、活動再開を発表した。

誠也さんのライブを見に行ってて現地にいた佐倉ちゃんが、わざわざライブハウス抜けて連絡してくれて、私も急いで現場に向かったものの、出番は終わって、ライブ自体も終わっていた。

けど、未だメンバーが残ってるからと、楽屋口から出てきた佐倉ちゃんに連れられて、バックヤードを歩くと、開放された楽屋入口から聞こえてくる騒がしい声。

覗くと、入口に近いところに座っていた彼が顔を上げた。

「よ、…正門くん、」

「…慣れへんね、その呼び方」

「いじらんといてよ、もう」

「はいはい。久しぶり、Aさん。」

良規の呼び方は、正門くんに戻ったけど、前みたいな敬語はなくなって、むしろ付き合ってた頃よりも、タメ口で近づいたような気はした。

「復帰おめでとう。よかったぁ！」

そう言うと、奥で騒いでた3人がこちらに気づいたようだ。

「え！？Aさんやん！」

「えー！髪切っとる！色も染めたんですか？イメージちがう！」

佐野くんはわんこみたいにぶわぁーと寄ってきて、大きな背を丸めて褒めてくれるから、つい頭を撫でてやりたくなってしまう。

「首見えんの、えろいよなぁ。」

それと反対に、大きい背でのっそのっそ歩いてきて、その高い位置から、ぼそっと言うのが小島だ。

くんをつけ忘れた訳ではない、これまでの舐めきった態度から私の中でそう呼ぶように今日から変えた。

「…絶対次からタートルネック着て来てやる。」

そう対抗心をむき出しにして答えると、急に口に手を当てて、大晴くんとなにやら動揺し始めた小島。

「えっ！？そっちのが断然えろない！？ピチッとしたニットで、って痛！」

「おまえはここでなに言うとんねん」

良規がパシッと小島の腕をはたく。

「こっわ、まっさんこっわ！」

そう言って小島はシャワーに逃げてって、大晴くんと佐野くんも家が遠いからか帰る支度を始めた。