なすかわさん。 (ページ9)

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電車から降りて待ち合わせ場所に早歩きで向かっていると、腕をパシッと掴まれる。

『わ！？』

「お姉さん可愛いね、今ひとり？」

『今はひとりですけど、人待たせてるんで！』

「俺今暇なんだよね！一緒にどう？」

『大丈夫です！ちょ、急いでるんで！』

「もしかしてお姉さん遅刻してんの？」

『はい！』

「あちゃー、それはきっとお友達も帰っちゃったんじゃない？だからほら、カラオケ行こ！」

随分としつこいナンパだな、どうしよう、と考えていると、男の腕を誰かがグッと掴んだ。

え？と思い顔を上げるとそこには見知った顔が。

まる「お兄さん、この子になんか用？」

「は？何？あ、てかお前DJまるじゃん！レペゼンの！」

まる「そうだけど何？この子俺のツレだから」

「は？俺が先に見つけたから。ってあれ？君よく見たらあの子に似てる、ほら、あの最近結婚した… 」

まる「行こ」

『あっ、うん！』

少し小走りでナンパ男から離れる。

後ろの方で何か言っていた気がするけど無視。

まる「は〜、お前すぐナンパされんのやめて！」

『は〜！？りゅうだってよくナンパしてるしされてるじゃん！』

まる「俺は男だからいいの！」

『あ！男尊女卑！炎上！』

まる「うるせ〜笑」

ふたりで腕を突きあっていると、りゅうが何かを思い出したようにあ！と声を上げた。

『え？なに？どしたの』

まる「これ！ここ前に行きたいって言ってたカフェじゃね？」

『あーー！！ほんとだ！こんなところにあったんだ！』

まる「行く？」

『行く！』

ピンクや黄色のライトがキラキラと光るおしゃれなカフェ。

インスタで見つけて「行きたい！」とりゅうにスクショを送ったっけか。

店員「 2名様で宜しかったでしょうか？」

『はい！』

店員「こちらへどうぞ！」

店内に入るとやっぱりかわいくて、御伽噺の世界に入っちゃったんじゃないかって気持ちになる。

まる「椅子ふっかふか！！あ、はい、メニュー」

『ほんとだ！』

ふかふかで座り心地の良すぎる椅子に感動して、ふたりでぴょんぴょんと小さく跳ねてみる。

『あ、このケーキ美味しそう！』

まる「うまそ〜。このか、かぬれ？って何？」

『なんか表面固くて中スポンジみたいになってるやつ！美味しいよ！』

まる「ふーん！俺これにしよ」

『飲み物は？』

まる「あー、これ」

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