きゅるりん！ (ページ19)

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□まともじゃないページ19

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陣馬「機捜401から警視庁！昨日墨田区曳島で発生した重傷傷害事件の容疑車両が逃走！元墨田から兼平通り方向！車両は白のステーションワゴン品川300"へ"24-01！」

『志摩さん、落ち着いて！』

志摩「わかってるっ…！！」

伊吹「緊急車両通過、緊急車両通過」

志摩さんの運転荒すぎる！！
必死に前の座席のヘッド部分に捕まって重力に耐える。

伊吹「いたいたいたいた！」

志摩「追いついた…！」

伊吹「はい、品川ナンバー白のステーションワゴン止まりなさい、はい、スピード落として！」

『わ！前！前危ない！！』

急にバックしてきた大型トラック。ぶつかる！！！

伊吹「っよっしゃあ！！！」

『志摩さん！！！！最高！！！』

ギリギリで避けた志摩さん。
運転技術高すぎるでしょ…もしかしてワイスピ出てた？

伊吹「運転手さん、危ないですよ。事故起こしますから止まってください。……あいつ聞いてんのかよ！」

『止まる気配ありませんね… 』

伊吹「はい、白い車止まってください！」

目の前には交差点。
歩道を渡る市民。
止まる気配のないステーションワゴン。

最悪の状況に、冷や汗がバッと流れる。

伊吹「赤だ！！！！！止まれーーーっ！！！！！」

伊吹さんがそう言った瞬間、志摩さんが思い切りアクセルを踏んでステーションワゴンの前に出る。

そしてそのまま横にハンドルを切って。

志摩「止まれーーっ！！！！！」

ガシャガシャガシャン！！！

車が何度も横転する。
ガツン、と思い切り窓に頭が当たる。

志摩「おい、生きてるか！！早瀬！」

『っはい…！あれ、伊吹さん……！？』

目を疑った。

たった今、自分が乗った車が大事故にあったというのに、伊吹さんはウォーミングアップと言わんばかりに数回ジャンプをしたあと、そのまま車を追いかけて走って行ってしまった。

志摩「ああ……足が速い… 」

志摩さんは何か納得したように伊吹さんを見ていた。

陣馬「大丈夫か！！早瀬！！」

『いってぇ…っざけんなよ、もう！！』

陣馬「え、早瀬？」

『あーー！イライラする！！陣馬さん、私も行ってきます！』

なんなんだよ、揃いも揃って。
伊吹さんも志摩さんも、まともじゃない！！

でも私は知ってる。
まともじゃない人と上手く向き合うには…────

『こっちも、まともじゃなくなればいい！』

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