３モチ ページ4
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「あの、外国の方、ですかね？」
そう聞くと、彼は顔をしかめてぶっきらぼうに答える。
「シャーロット・カタクリだ。」
まるで読めないならなぜ書かせたんだ、と言っているようだ。
というか、顔に出ている。
まぁそれはおいといて、彼は外国人のようだ。
名前からして。
それにしては素晴らしく日本語がうまい。
んん、と首をかしげて彼を見つめる。
仮に外国人としても、なぜうちの会社の中にいたんだろう。
彼、もといカタクリさんはここがどこかわかっていないようだし。
謎は深まるばかりだ。
やっぱりこういうのは警察にまかせるべきだ。
よし、と空になった湯呑をもって立ち上がる。
カタクリさんには申し訳ないけれど、警察を呼ばせてもらおう。
それなら、カタクリさんもおうちに帰れるだろうし。
スマホをだそうと鞄をあさろうとしたとき、彼の声にとめられる。
「おい。」
「なんでしょう？」
彼のほうを向いて優しく答えれば、カタクリさんは小さくつぶやいた。
「糖分を、とりたい。」
はい？
彼の言葉を聞いて、お菓子を求めていることに気がつくまで数秒かかった。
おかげで私は今、警備員室の冷蔵庫を勝手にあさるしまつだ。
探せばなにかあるもので、奥の方から羊羹がでてくる。
それをお盆にのせて、カタクリさんの前に差し出した。
しかし、彼は手をつけようとしない。
それどころか目を見開いて驚いている。
どうしたんだろう、羊羹は嫌いなのかな。
カタクリさんは羊羹を指さす。
「これはなんだ？」
思わず耳を疑ってしまった。
まさか羊羹を知らない人がいるなんて。
「羊羹ですよ、和菓子です。」
私は彼にできる限り知っている和菓子の情報を伝える。
彼は興味深そうに聞いていた。
でもまだ手をつけない。
緑茶を受け取らないカタクリさんのことだ。
もしかして警戒しているのかな？
仕方ない。
警戒心を解くために、羊羹をフォークで切り取って一口いただく。
「ほら、美味しいですよ？」
そういって微笑めば、彼は納得したようにお皿を受け取った。
そして後ろを向く。
ん？
なんで後ろむいたんだろう。
くるりと椅子が回転して向かい合ったころにはお皿の上にはなにもなかった。
食べるの早すぎる。
しかしちゃんと食べたようで、もぐもぐと口を動かしている。
なんだかハムスターみたいでかわいい、とか思っちゃった私は重傷だな、きっと。
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なのこ(プロフ) - yuka390822さん» 感激していただけるなんて、光栄です！コメントありがとうございます！ (2018年6月12日 21時) (
レス) id: 5816d88e2f (このIDを非表示/違反報告)
yuka390822(プロフ) - 感激号(┳◇┳)泣 (2018年6月12日 16時) (レス) id: 967b96f7da (このIDを非表示/違反報告)
なのこ(プロフ) - 露木さん» コメントありがとうございます！そんなふうに言っていただけるととても嬉しいです！これからも暖かい話を書けるようにがんばります！ (2018年6月12日 7時) (レス) id: b4745be509 (このIDを非表示/違反報告)
露木(プロフ) - カタクリさんの逆トリだー！やったー！とはしゃいでしまいました…！思わずにこにこしてしまうような温かいお話で、続きがとっても楽しみです！ (2018年6月11日 21時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
なのこ(プロフ) - あすこここさん» 初コメにとても感動しています！ありがとうございます！カタクリ様には少しトリップの副作用ということで縮んでしまったということにしてしまいました笑 (2018年6月10日 22時) (レス) id: b4745be509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのこ | 作成日時：2018年6月8日 21時
