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しばらくそこにいると、優太くんが再び目を覚ます。
「今日さ、撮影の予定だったんだけど、雨で中止になった。」
『そっか…残念だね…。』
「俺のせいかな…、俺が持ってないからさ。」
『そんなことないよ。天気は仕方ないもん。』
「…だといいんだけど。」
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沈黙が訪れる。
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するとベッドの上に置いていた手がギュッと握られる。
驚いて優太くんのほうを見ると、
トロンとした目でこちらを向いていた。
「俺…本当はずっと会いたかった。連絡だってしたかった。」
『…ごめんね。』
「でも、元気そうでよかった。」
『…そういう優太くんは元気じゃないみたいだけど…。』
「Aに会ってなかったからかも。」
そう言って身体を起こし、私の頭を優しく撫でる。
えっ、優太くんってこんなこと言うキャラだったっけ…?
もしかして熱で…?
『優太く「優太、って呼んで?」
熱を持った瞳を向けてくる彼。
『ゆ、優太…?』
「ん、何、A?」
『あ、えっと…。』
いきなり訪れた甘い時間に戸惑いを隠し切れない私。
繋いだままの手がさらに熱を帯び、身体に伝ってくる。
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「ねえ、まだ廉のこと好き?」
『えっ?』
いきなり話題を変えてきた、優太。
でもなんで廉…?
そりゃあ、応援してるし好きだけど…。
「…廉、最近ドラマとか映画出ててすごいよな。」
『うんっ、私も見てるよ。』
「…やっぱり、かっこいいよな。」
『そうだね…でも、優太も、よくバラエティ出てるよね?』
「うん、ありがたいよ、マジで。」
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実は、彼の出ているバラエティを密かに録画していた私。
でも、それを言ったら、流石に気持ち悪がられると思ってやめた。
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lemon09(プロフ) - 一気読みしちゃいました! 続きが楽しみです。 (2020年12月5日 2時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mother | 作成日時:2020年5月26日 0時