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優太side
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「ごめん、ここまでしか送れないけど…気をつけてね。」
『うん!じゃあね…あっ、そうだ!』
手を振った後、Aちゃんは振り返った。
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「ん?何?」
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『…あの、今日のコンサートね、すっごく良かったよ。
いつもの優太くんとはまた違って、キラキラ輝いてて、
夢みたいな時間だった…!
…それとね、優太くんカッコよかったよ…!』
Aちゃんは興奮気味で話して、
最後は少し恥ずかしそうにしていた。
かっこいいって…。待ってよ…。
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今俺最高潮ににやけてる。
俺はそれがバレないように、手で顔を抑えた。
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「あ、あ、あ、ありがと…!」
『それじゃ…おやすみなさい…。』
「お、やすみ…!」
Aちゃんは小走りで闇の中に消えてった。
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「もー…Aちゃんってマジでツボついてくんな…。」
今までかっこいいと言われたことは何回もあるし、
いつでも嬉しかったけど、
今のAちゃんのかっこいいが、間違いなく過去一嬉しい。
満たされた俺は、部屋に戻ろうと振り返ると、
その正面に一人立っている男がいた。
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廉だ。
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「おお、廉っ!どうした?」
俺はさっきの嬉しさが残ってて
陽気に話しかけた。
でも廉はピクリとも動かず、
ただ目線だけを俺によこす。
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「どうした…ってのはこっちのセリフなんやけど…。
優太、今誰見送ってた?」
「えっ?…えーっと…。」
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「お前、正気か?」
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廉の鋭い瞳に、背中がヒヤッと凍りついていくのを感じた。
そして俺らは、無言のまま廉の部屋に向かっていた。
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lemon09(プロフ) - 一気読みしちゃいました! 続きが楽しみです。 (2020年12月5日 2時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mother | 作成日時:2020年5月26日 0時