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「ここ、確かにギリギリやんなぁ。
Aが細くて助かったわ。」
そう言う廉くんこそ、かなり細い。
でも確かに、ぎゅうぎゅうだな…。
肩と肩くっついちゃってるし、足も完全にぴったり。
こんな密着することなんてないから、緊張しちゃう…。
っていうか廉くん香水かな、すごくいい匂いする…。
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『すいません、いきなり入れてもらっちゃって…。』
「いいんだよ。俺が勝手に連れてきちゃっただけだから。」
すかさずそう言って、笑いかけてくれる優太くん。
彼の方を振り向きたいけど、顔も体も近すぎて
それに緊張しちゃって、顔見て話せない…。
そう思っていると、
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「ねえねえ、そういえば岸くんとAちゃん、だっけ?
ってどういう関係なの?」
前の方からひょいと顔を出した男の子が質問をする。
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この男の子は確か…、
『高橋、海人くん…』
「当たりっ!Aちゃんってもしかして僕らのファン?」
優太くんと知り合ってから、
私も少し意識しちゃって、King&Princeの存在を
どんどん知っていくようになっていた。
だから多分、私はもう彼らのファン、なのかな。
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『あっ、はいっ…一応っ!』
「一応ってなんやねん。笑」
私の自信なさげな言葉に、すかさずツッコミを入れる廉くん。
そうして一気に笑いが起き、他のメンバーの人も次々に話しかけてくれる。
「俺はっ?わかる?名前!!」
『えっと、平野、紫耀さん?』
「じゃあ、俺は?」
『岩橋玄樹さんですよね?』
「さっすがー!!」
そんな風に名前当てゲーム(?)をしていると、
隣にいた廉くんが、
「でもな、お前ら、Aは俺が推しなんやってさ、な?」
と、肩に腕を回してきた。
『あ、はいっ…。』
私は後ろめたさを抱えながら返事をした。
こうしてどんどん自分の嘘が周りに広がっていくと、
罪悪感が強くなって、本当のことが言えなくなる。
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「えっ、てっきり岸くんの彼女かと思ってた!」
『か、彼女!?』
海人くんの言葉に、動揺を隠しきれない私。
優太くんは、そんなわけねーじゃん、と必死に否定している。
でも否定されると、ちょっとショックかも…。
あれっ、なんでだろう…?
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lemon09(プロフ) - 一気読みしちゃいました! 続きが楽しみです。 (2020年12月5日 2時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mother | 作成日時:2020年5月26日 0時