傷ついた君5 ページ5
.
でも、それから3日経っても全く音沙汰なし。
.
とうとう不安になってきた。
.
.
今日は廉と二人での仕事。
ロケバスの中で待機中だった。
.
「何、優太、携帯ばっか見てるやん。弁当食わんの？」
「うーん…今はいいや…」
最近、食欲がない。
その原因は、わかってる。
.
.
「Aちゃんと何かあった？」
廉にぴしゃりと言い当てられた。
廉はメンバーの中で唯一Aと連絡先を交換していて、
Aと一番仲がいい。
もちろん信頼してるから、二人の間には何かあるなんて
そんな心配はしていない。
.
「やっぱ廉にはバレちゃうかー…」
.
「まあ、Aちゃんからも連絡来てたからな、優太様子どう？って笑
あの子も心配性やな笑」
「えっ！？連絡来てたの！？いつ！？」
「昨日やけど…」
なんだよ、Aのやつ
俺には連絡しないのに、廉にはするのかよ。
そのことに少しイラっときた。
「珍しいな、いつも優しい優太がそんな険しい顔して。」
「別に険しい顔なんか…」
「言ってたでAちゃん、
優太はすっごく今、忙しくて、慣れないことたくさんで辛い時期だって
だから自分がそれを少しでも癒してあげたいって。」
「Aが…？」
「でもさ、あの子はただの女の子なんよ。
芸能界とは無関係なただの女の子。
俺はあの子の気持ち聞いてきただけだけど、
相当しんどそうやったよ。優太に甘えたくても甘えられないって。
でもそんな辛くてもお前と居たいんやって。
お前じゃなきゃあかんねんって。それでいっつも優太はああだこうだって言うんよ。」
なんだよそれ…
そんなの初めて聞いたよ。
付き合ってるから両想いだってのはわかってるけどさ、
Aが辛かった気持ちなんて、全然聞いたことなかった。
.
だって俺の前ではいつでも笑顔で、どの番組観る？とか
俺のために手料理ふるまってくれたり、
時にはマッサージしてくれたり、
俺にいろんなことをしてくれていた。
つらい顔なんて、今まで一切見せなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Mother | 作成日時：2020年3月31日 21時
