bl短編集××２[w.r.w.r.d]

zm×em ページ20

お久しぶりです。


×+×+×+×

zmside.

特定の人物ばかり考えてしまったり、意識してしまえばいつの間にか目で追っていたり。

端的に言えば恋だ。

しかも男性にだ。
初めてのことだし、色々と悩んでいる。
今まで女性にしか恋心を抱かなかった俺がだ。


「zmさん。」



不意に名前を呼ばれる。俺はゆっくりと彼の方に顔を向ける。


em「？」


彼はにっこりと笑うと首を傾げる。
俺がじっと彼のことを見つめているせいだ。


zm「…ぁ、emさんか。」


何とか話を繋げようと喉の奥から一言絞り出した。彼はまだ、頭上に？を浮かべてるかのように笑っている。


em「…お疲れですか…？」


今度は眉を八の字に曲げ、捨てられた子犬のような瞳で見つめ返してくる。
思わず顔を背ける。

やっぱり、俺、惚れてんだろうな。

そう実感してしまう。
背けた方を追いかけるようにemさんの顔がついてくる。
やはり、俺は顔背けてしまう。耳元まで自分の鼓動が聞こえるほど心臓が動いている。

すると、彼がため息をついた。

em「…。」

様子を見ようと彼の表情を伺う。
困っているような悲しんでいるような。まるで俺が悪いことをしまような、そんな表情。



em「最近…zmさん、変ですよ…。」


か細い声で下を向いて、俺を否定するかのように視線を背けていた。


em「…私の事、嫌いになりました…か…？」


突然、そう告げられても俺は何も言えるはずがない。もし、君に“好き”だなんて言ったら、君の方が俺を嫌うんじゃないか？
思考はそうやって巡り、沈黙だけが続いた。


em「やっぱり…そうでしたか…。」


少しだけ声が震えていた気がした。

あぁ…俺はこうやってまた、大切な人を失っていくんだ。

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