bl短編集××２[w.r.w.r.d]

os.ht. ページ17

×+×+×

いつもの夢の中。



あんなに一緒にいたのに。
あんなに傍にいたのに。

今じゃ遠い存在になった。

別に死んだ訳でもなくて病気になった訳でもなく、普通に離れ離れになっただけ。




だけなのに。



どうしてこんなにも寂しいのだろう。






「…っ。」


毎度のように見ている天井が歪む。
頬を撫でれば滴が滴る。
鼻を啜りながら起き上がりスマホを手に取る。

いつも通りLINEの通知やその他の通知で画面は埋まっていた。
けど、何かが物足りない。

心が空っぽ。

少し放心状態のまま、数分が経つ。
経てば体を動かす。足取りが覚束無い。
昨日はやけ酒で潰れていた。ベットの傍にビンが数本転がっていた。

覚束無い足取り、手取り。
まだ上手く機能しない脳を奮わせ珈琲を1杯。
まだ薄暗い外をカーテン越しに眺める。

無の空間だった。
そんな中、また、あの人の顔が浮かぶ。


会いたいなんて思いながら。


気づけば涙が零れる。
平気な筈なのに。大丈夫な筈なのに。


あの人がいなきゃ弱くなる自分が嫌になる。
嫌で嫌で仕方がない。

今、あの人はどうしているのだろう。
笑ってられてるかな。

会いたいよ。

◆→←◆R

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す