神樹に集いし者たちよ【神樹を守る子ら】【リレー小説】

雪が1つ ページ2

魔法使いという存在がいる。
僕の様な、無能力者と呼ばれる者とは正反対の存在だ。
突如この世界に現れた『魔力』に侵され、それを利用して魔法を使う、この世界の99.9999%を占める多数派。
魔力はこの世界を呑み込み、ほぼ全てを侵略するに至っている。

けれど、僕達だけは違った。
一切魔力を持たず、魔力が蔓延る環境下では成人する前に寿命を迎えてしまう無力な者、無能力者。
無法者と罵られ、弱者だと詰られ、それでも生き残ってきた者達が、神樹に集った。
神樹は無能力者の楽園。魔力を浄化し、無能力者が生きられる環境を作れる、唯一のモノ。
自然と無能力者は神樹に集まり、徒党を組んだ。僕も、弟の叶音もその一員。

Agno Mageia。僕らの仲間であり、家族。
本当の家族にすら嫌われ、疎まれ、捨てられた僕らの居場所。
絶対、守り抜く。その為に強くなった。僕は非戦闘員だけど、それでも、皆を守る事は出来る。

明日は必ず来る。でも、幸せかどうかは分からない。
だから、明日を自分の手で幸せにする為に、僕はナイフを握るんだ。



魔法使いによる襲撃を、乗り越える為に。

動物が1体→←Prologue

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す