痛みを感じない少女～Another Story 3～ (ページ16)

今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:135,187 hit

１１６．ページ16

『それで？円堂のことだろう？』

鬼「はい……屋上でずっと考え込むようにして動かなくて……

今まであいつのあんな姿を見たことがないので、どうすればいいのやら…」

『監督は何も？』

鬼「はい」

『そう……昨日で色んなことが起りすぎたからね。

でも私達にできることなんて、たかが知れていると思うけどね。

それでこそ、何か円堂のやる気を起こせるような刺激的な何かがないかぎり、ね♪』

鬼「刺激的な何か、ですか……」

『私が言える事なんてそんなものだよ』

鬼「そうですか……あと一つだけいいですか？」

『ん？何だい？』

鬼「瞳子監督は、姉さんが連れていたんですよね。姉さんはどうして瞳子監督を？」

『あの人なら、君達を勝たせてくれると思ったからにすぎないよ』

鬼「そうですか……」

有人はそれ以上何も聞いてこなかった。これ以上聞いても何も教えてくれないと察したのだろう。

鬼「それじゃあ俺は戻ります。吹雪の事、よろしくお願いします」

『あぁ、任せたまえよ』

有人はそのまま戻っていった。

そしてそのまま吹雪の病室に戻るA。その時瞳子が吹雪の病室から出てきて鉢合わせする。

『お見舞いですか？監督』

瞳「えぇ……後はよろしくねAさん」

瞳子がそう言って横を通り過ぎようとしたとき、Aが瞳子を引き留めるかのように言葉を発した。

『監督は、”監督”のままでいてくださいね』

瞳「っ！」

そういうとAは病室に入っていった。