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「……で?何故俺が怪我した話を聞きに?」
「学園長に頼まれて……」
ユウさんがそう言うと、ジャミル先輩は目を細めてこちらを見てくる。
「学園長が?ふーん……まあ、いいだろう。
昨日の夜、俺はカリムに頼まれて調理室で夜食の羊肉の揚げ饅頭を作ってた」
「ジャミルの作る揚げ饅頭、ほんっとに美味いんだ!今度お前らも食いにこいよ」
「カリム、話の腰を折るな」
「あっ、悪い悪い」
本当に気前のいい人だ。先程からずっと笑顔で話している。
「具材を細かく刻んでいた時に何故か手元が狂って手を傷つけてしまった」
「ジャミルの包丁さばきはウチのコック長も舌を巻くレベルなんだぜ。
マジフトの練習で疲れてたのか?」
「いや。俺はその程度で手元を狂わせたりしない。
だけど、調理中に一瞬、意識が遠くなったような感覚があった」
『めまい?』
「急な眠気とか?」
ユウさんと私はありきたりな仮説を立ててそう言う。
「殆どの奴らはそう思うだろうが……俺にはあの感覚に少し覚えがある。
おそらく、ユニーク魔法の一種だ」
「「!!!」」
その発言からして、これは誰かが意図的に行っている行為であることが立証された瞬間だった。
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月15日 0時